中長距離選手のための人気記事ランキング


1500mのためのスピード練習

800m選手のためのスピード練習

中長距離選手の適正体重

長距離選手のためのスピード練習

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上位4記事に、種目別のスピード練習がランクインしています。具体的な練習方法を知りたいということでしょう。学生では、部活動の顧問が専門的知識があれば直接アドバイスをもらえる内容ですが、残念ながら陸上競技経験の無い顧問が多いのも現実です。このホームページが真剣にがんばりたい若い選手たちのお役に立てれば幸いです。

また、体重に関する記事も人気です。体重はタイムに直結しますので関心が高いのでしょう。思春期は体重の増減が著しい時期でもあります。体重は重さだけにとらわれるのではなく、自分の身長に応じた適正体重の範囲を知り、併せて体脂肪率を低く抑える努力が必要です。

 
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大会前の調整練習

色々なランニングフォームのタイプ

前ももとふくらはぎが疲れやすい人の原因と対策

速くなる、強くなるために必要なこと

脚が流れる人の原因と対策

身体を絞るためには

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走るための知識を得て速くなろう☟
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梅雨時期に不調になりやすい原因②副交感神経が優位になりやすい気候


梅雨の不調原因で低気圧による酸素濃度低下は先の記事で紹介しました。

梅雨時期に不調になりやすい原因①低気圧で酸素濃度が低下

今回は、さらにその影響を受けて起こる身体の反応と対処方法を紹介します。

 
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なぜ副交感神経が優位になりやすいのか?

交感神経と副交感神経の働きは、ストレッチの記事で紹介していますので知らない方は確認してください。

低気圧は空気中の酸素濃度を低下させます。10hPaあたり約1%酸素濃度が低下します。

酸素濃度が低下すると、身体は防御反応で身体を少しでも休めて酸素消費を少なくする方向に働き、副交感神経が優位になります。

 
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副交感神経が優位になりやすい低気圧時の対処方法

ウォーミングアップを入念なにすることです。運動時は、交感神経が優位になってくれないと身体は動きにくいです。

晴天時=高気圧時は交感神経が優位になりやすく身体は動きやすいですが、低気圧時は晴天時よりもアップをしっかりする必要があります。

晴れの日と雨の日で同じアップでは不十分だということです。

 
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雨天時のウォーミングアップの注意点

雨天時は湿度が高くなります。汗をかきやすい気象です。すぐに汗ばむので、身体が温まったと勘違いしやすいです。

特に、ウインドブレーカーを着ると発汗量が増えます。それと同時にミネラル分も汗で損失してしまいます。

ミネラルについての説明はこちら
ナトリウム(塩分)、カリウム、マグネシウムなとは特に重要なミネラルで、不足すると筋肉の収縮と弛緩を阻害して痙攣を起こしやすくなります。また、エネルギー供給系も働きにくくなってしまいます。エネルギーが体内にあるのにエネルギーとして使われなくなってしまいます。身体が動きにくくなる=遅くなる、という事です。

汗を多くかきそうな日は、意識してミネラル分を含むスポーツドリンクやサプリメントを摂る必要があります。陸上競技の大会では、1日に何本もレースを走る場合があります。予選は動いたけど、2本目は身体が動かない場合はミネラル分のバランスが崩れてパフォーマンスが低下したことも原因のひとつとして考えられます。

これらの理由で、汗を無駄にかかない工夫や発汗量に応じたミネラル分の補給、ミネラルバランスの維持を考慮しなくてはなりません。

 
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まとめ

陸上競技は自分の身体だけで勝負する非常にシビアなスポーツです。

気象の変化と身体に及ぼす影響、身体の生理的反応をきちんと知ることで、具体的にやるべき行動が見えてきます。

知識は自分を救います。

また、雨の日は服装に気をくばることでかなり快適になります。知識と物の準備をすることでレースや練習でのパフォーマンスは変わります。

雨天時の服装について

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梅雨時期に不調になりやすい原因①低気圧による酸素濃度低下

梅雨と気圧

梅雨は梅雨前線により低気圧が上空に停滞します。日本の平均気圧は1013hPaですが、低気圧時は1000hPaを下回る気圧になることもあります。台風時は950hPaを記録したこともあります。

 
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気圧が身体に与える影響

気圧が10hPa低下すると空気中の酸素濃度が約1%低下します。低気圧では約20hPa低下→約2%酸素濃度が低下することがあります。

酸素濃度が約2%低下すると、その分持久力が落ちると考えられます。極端な例ですが、低気圧では約60hPa気圧が低下→約6%酸素濃度が低下すると考えられます。

 
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気圧低下による酸素濃度低下でタイムが遅くなるのか?

種目によって受ける影響は異なると考えられます。これは、距離(全力での運動時間)によってエネルギー供給系が異なるためです。エネルギー供給系の説明

有酸素運動:無酸素運動の比率は、おおまかに以下のとおりです。
800m40:60
1500m60:40
5000m95:5

それぞれの有酸素運動の比率分が酸素濃度低下の2%だけタイムが遅くなるのではないかと、私は予想します。

ですので、800mよりも5000mの方が影響を受けやすいと思います。距離が長いことだけではなく、有酸素運動の比率も多いからです。

天気が悪いと記録が落ちがちですが、あまり影響を受けない選手もいると思います。

雨だからダメだ!と決めつけないで、以前より力がついていればベストと同じくらいで走れるはずだ、などと前向きに考えることができれば良いと思います。

 
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低気圧時は無謀なハイペースでレース展開をしない方が良い

天候が悪い時は、入りのハイペースを控えて、無難なペース配分をすることが最終的には好結果に結びつくと考えられます。

ラストスパート=無酸素運動をしっかりかけることができれば、タイム損失は最小限に抑えることができるのではないでしょうか。

記録会や着順争いをする大会ではレース展開やレースの目標も異なります。

自分の実力、目標、そのレースの位置付けをよく考えて、レースの作戦を立てれば良いと思います。

 
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まとめ

日々の練習時から天気予報を確認して、低気圧と練習タイムに変化を感じるのであれば、走った感覚を練習日誌に書くなどして残してておくと良いでしょう。なんか今日は調子がいまいちだな。で終わらせないことです。

低気圧が身体に及ぼす影響は他にもあります。

低気圧は身体の内圧を高めるので疲労が抜けにくい。

低気圧による酸素濃度低下は身体の自律神経の働きにも影響する。

走るだけではなく、知識を深めることもパフォーマンスを高めるためには必要だと思います。

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男子800m選手2’05″をクリアするための条件

800m2’05″を切るために、必要な他の種目の実力は?

一概には言えません。
個人の持ち味があって、得意な距離や能力があります。陸上競技は、その一番得意な能力を専門種目にしていると言えるでしょう。

それでは次に、得意分野について考えてみます。

瞬発力が得意な人、持久力が得意な人、その中間の人

言い方を変えると、
短距離タイプ
中距離タイプ
長距離タイプ
の3分類です。

400〜5000m記録相関表

短距離と中距離の間、また中距離と長距離の間の人も当然います。私たち人間は機械ではありませんので、無段階に持ち味があります。

自分が何の力が得意なのか、また苦手なのかを自分で把握することが大切です。

簡単に説明するために3タイプで話を進めます。

 
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タイプ別で見た、他の種目で必要な記録

タイプ別の記録一覧表
この表から、各タイプ800m2’05″0の隣の記録を以下に抜き出しました。

短距離タイプ
400m53″9
1500m4’35”
3000m10’12”
5000m18’07”

中距離タイプ
400m55″1
1500m4’22”
3000m9’41”
5000m16’40”

長距離タイプ
400m55″3
1500m4’07”
3000m9’05”
5000m15’37”

長距離タイプの選手は、800mよりも1500mを専門にしており時々スピード練習として800mに出る程度の人が多いと思います。

ですので、800mをメインに考えている選手は短距離タイプか中距離タイプの人だと思います。
 
 

400m53″9〜55″1が必要なスピード

100mあたり13″4〜13″7を維持しなければならないスピードです。

この練習を参考にして、まずは100mでそのスピードを如何にラクに、無駄な力を入れずに走り続けるかを研究してください。
100mを反復する基礎的なスピードトレーニング

その次のステップが、
200m×3本×2set
設定は27″0切り
つなぎは100m歩き約2′
set間10’rest
各setで意識するイメージ
①前半の200m入り速め
②中間の200m一定ペース
③後半200mラストスパート

仕上げの練習が、
レペティション300m×2〜3本(15’rest)
設定13″4ペース=40″2なので40″0切り
導入当初や疲労度合いによっては2本
①400mの入り、スパート無し
②中間走、コーナー直線コーナー、スパート無し
③ラスト300m、直線コーナー直線、スパートする!
 
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800m2’05″を切るための練習

インターバル200m×5本×2set
設定31″2(2’05″ペース)
つなぎjog200m90″
set間10’restまたはjog600m4’30”
800mのレースのどこかの部分をイメージしながら走ります。入り、前半、中間、後半、ラスト等

インターバル300m×3本×2set
設定46″後半
つなぎjog100m45″
set間10’rest
上の200×5×2をより実戦的にしたものです。休憩が短く、一度に走る距離が長いので3本目はレースに近い感覚になります。
入り、中間、ラストをイメージします。

切り替え走300m×5〜8本
設定、入り200m32″0+ラスト100m15″切り
つなぎ300m歩き約5′
レースのラスト300mをイメージしたものです。中だるみして32″かかる想定からラスト100mで切り替え、スパートする感覚を掴みます。

レペティション
400m×3(15’rest)
設定
①800mの一周目より少し速め。
②それより速く
③全力
最初は2本から行います。ペースを遅くして3本やるより、速い2本の方が効果的です。3本目は入りから突っ込んで、中間疾走を上手く走り、ラストスパートまでしっかりして出し切ります。

セット走(600m+300m)×2set
設定1’33″0、jog200m90″、32″0+14″台
set間15′
600mはレースの入り〜600m通過をイメージ
つなぎは400トラックの場合は600m地点から50m進み、水濠で折り返して150m戻り、1500mのスタート位置から300mを走ります。ラストの300mは切り替え走でスパートします。

レペティション600m+400m+300m
設定1’33″、58″、41″を目標
800mレースペース、後はそれ以上で。
回復時間15’rest
 
 

1500m4’22〜4’35が必要なスピード持久力

インターバルなどで目指すペースはこれです。レースペースです。

スピードタイプ〜中間タイプ
100m17″4〜18″3
200m34″9〜36″6
300m52″4〜54″9
400m69″8〜73″2
1000m2’55″〜3’03”

練習メニュー
インターバル300m×5×3
設定タイム52″〜54″
つなぎjog100m(インターバル走るタイムと同じ約50″)
set間10’restまたはjog700m約6′
①②一定ペースでリズミカルに。
③3本まで一定、ラスト2本上げる-3″目標

レペティション
1000m+600m+300m(15’rest)
①1000mは1500mのペース前後
②600mは800mのペース1’33″目標
③300mは全力、400mのペース40″前後目標
このメニューは、1500m、800m、400mのスピードが全て入っています。
1本目は、余力を残したリラックスした走りを。
2本目は、予選の疲れがある決勝レースの入りをイメージして。
3本目は、スピード持久力のトレーニングであり、疲れがある中でも気持ちを切らさずに最後まで走りきる心の強さも試されます。
 
 

3000m10’12〜9’41が必要な持久力

レースペース=インターバル練習での設定ペース
スピードタイプ〜中間タイプ
400m81″6〜77″4
1000m3’24″〜3’13”

インターバル400m×10本
設定81″〜77″
つなぎjog200m(インターバルで走ったタイムの2倍約2’40”)
力みの無いリズミカルな走りを。
800mのために、必ず必要な練習ではありません。秋冬の駅伝シーズンにやれば良い練習です。
また、トラックシーズンでもバランス良くトレーニングしたいと考える場合は、この様なメニューになるという参考にしてください。

レペティション1000m×3(15’rest)
①3000mのペースより5″〜7″速く
3’05スパート無し
②3’00スパート無し
③2’55スパート有り!
1500mより遅いペース、3000mより速いペース
この練習をしておくことで、3000mを走る時のゆとりが生まれます。

この練習も800m対策ではありません。
冬季練習や駅伝の時期にやれば良い練習です。
練習メニューのバリエーションとして参考にしてください。
 
 

一週間全体のメニュー

練習メニュー検索をして確認してください。
中学生は現在の3000mのタイムで、高校生以上は5000mのタイムで選択してください。

基本的な持久力を強化する練習は、800mのタイムから算出するのでは無く、持久力の能力を現す3000mまたは5000mを基準にします。

jogやペース走は、総走行距離の大半を占める大切な基礎トレーニングです。

自分のレベルに合ったペースで、適度な距離をコツコツと練習しましょう。

無理に距離を伸ばしたりすると、極度な疲労で練習の流れもおかしくなります。膝などの怪我のリスクも高まるので、無理な走行距離を走る練習はやめておきましょう。

練習メニュー検索で自分に合ったメニューを確認する。
 
 

怪我の予防

怪我は予防して、練習を中断しないことが一番です。もし、怪我をしてしまった場合は、焦って練習を再開して再発しないように、充分注意してください。諦めてはいけません!!リハビリやその時にやれることをしっかりやっていれば道は開けます。

しやすい怪我と対処

 


 

この練習をこなせば800m2’05″が切れるのか?

そういう話ではありません。2’10″の選手がここで紹介したペース設定でメニューをこなせば力がついてきて、2’05″前後で走る力がつくと思います。

しかし、かけ離れた記録(2’20″など)の選手はこのメニューをこなすことはできません。背伸びし過ぎです。今の実力に合ったメニューをこなしていくことで、少しずつ力がついてくるものです。

高すぎる目標や設定タイムでは好結果は生まれにくいです。目の前の達成できそうな小目標を決めて、それを達成し続けてください。いきなり飛躍は難しいです。

例えば、800mなら
2’10→2’08
2’08→2’06
2’06→2’04
2’04→2’02
2’02→2’00
そして1分台
と言った具合です。

800mで2″0縮めるためには、400m1″0、200m0″5、100m0″25です。

100mあたり約50歩で走っているので、1歩あたり0.005秒の短縮になります。1歩あたりのこんな僅かな時間の積み重ねが800mで2秒になるのです。

効率的なフォームがいかに大事かわかると思います。

キツイ練習をすれば速くなる、という訳ではありません。キツくてメチャクチャなフォームでもがいているようではタイムは出ません。逆に遅くなります。
 
 

まとめ

一番大切なのは、レースペースの練習です。記録会や小さな大会に出ることが最も効果的な練習になると思います。きちんと練習を積んできて、最高のフォームで最高のイメージを持って、最高の精神状態でスタートラインに立つことが大事です。

スピード練習は絶対に必要です!

練習では、インターバルレペティションでレースを分割したイメージをしっかり持って、ペース感覚やリズム感、後半の乳酸が溜まってからの身体の感覚を何度も体験しておきます。

レースを想定した走るイメージトレーニング

レースやタイムトライアルで、それをつなげて走ります。

レースを走ると、良かった点、悪かった点が分かります。

それをまた次の練習に取り入れて、どんどん自分なりの意識付けを加えて行くことが大切です。

狙った大会や一発本番だけはやめた方が良いです。何度か記録会で自分のレース展開を試しておくべきです。

一人でも多くの選手が、自己ベストを更新できることを願っています。

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自信とは自分を信じること、自分をコントロールする考え方

大会前は不安になるものです。

良い結果が出せるだろうか?
上手く走れるだろうか?
当日に体調を合わせられるだろうか?
強い選手がたくさんいるだろうか?
天候などのコンディションは良いだろうか?

 
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不安要素を書き出してみる

上のようになるべく簡潔に不安要素を箇条書きに書き出します。

不安要素は、二種類に分けることができます。

【自分の力で変えられること】
【自分の力では変えられないこと】

この二種類です。

 
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自分の力で変えられることだけに集中して、良い方向に変える

【自分の今と未来】
体調を整える。
物の準備を事前にする。
レースのイメージをつくる。
大会までにできる練習をきちんとする。
その日、自分の全力を出し切ることだけを考える。

 
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自分の力では変えられないことは受け入れる

無視する訳ではありません。
変えられない現実を変えようとする努力は無駄です。その努力を他に向けるべきです。

【自分以外の人、気象、大会日程など、過去】
天候、気温
大会のレベル
ライバル選手
他の強い選手
大会日程、タイムテーブル
すでにしている怪我
それまでの練習内容

 
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これまで積み上げてきた練習と結果は何よりも自信になる

その為には、実践的な内容の練習をしておくことが必要です。

具体的には、レペティションやレースより短い距離のTTです。レースの通過タイムよりも何秒も速く走っておくことで心理的なゆとりも生まれます。例えば800mのためには400mや600mです。1500mのためには1000mや1200mです。

練習日誌にきちんと記録しておくことで読み返すことができますし、自分のレベルアップや体調の波を目で確認することができます。

逆に、悪い場合も確認できてしまう訳ですが、それはそれで現実ですので受け入れるべき要素になります。体調が良くないなりに走りをまとめる方法を考えれば良いです。オーバーペースを防いだり、ペース配分を考え直すことです。

練習日誌は、定期的に読み返して練習の流れと体調の変化を把握する必要があります。定期的に読み返すことでトレーニングプランの修正も可能になります。

練習日誌を読み返して不安を自信に変える

 
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監督やコーチ、ライバル、好きな人からの一言が気持ちを変えることがある

もしチームに所属していて、そのチームに監督やコーチが素晴らしい指導者なら選手は幸運です。個人に合ったアドバイスをくれるでしょうし、大会前に背中を押してくれる効果的な一言をくれるかもしれません。

しかし、良い指導者ではないならあてにしない方が賢明です。自分の力で何とかするべきです。

私は、記録会スタート直前にライバルから一言声をかけられて、気合いが入り自己ベストが出たことがあります。そのライバルもベストを出しました。

「記録会だから、お互い積極的に行こう!」

ゴール後もお互いの走りを称え合い、レース中のかけひきや前に出たタイミング、抜き返されたタイミング、スパートの切り替えができた、体が動かなかったなど話も盛り上がりました。そして、その後の大会での再度対戦を約束したものです。

その後、数年間に渡りライバル関係は続きました。1人で練習をしていた私にとって大きな目標となる選手でした。彼は現在、強豪校でコーチをしています。

若い選手なら、好きな人に「がんばって!」とひとこと言われるだけでがんばれてしまうものです。私も26歳の頃、1000mTTをする時に好意を持っていた女子選手が「タイム測ってあげましょうか?」と申し出てくれました。2’31″で走れました。大学時代のベストが2’30″でそれに匹敵する記録でした。あの時はまさにこの力を感じました。

 
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まとめ

自信を持ってスタートラインに立つことは、良い走りをするためにとても重要なことです。

自分自身がやってきた練習があるから自分の力を信じられるようになります。

また、自信を持つことの他にレースに臨むためには、気持ち、意気込み、気合いも大切です。自分の力を引き出すための起爆剤です。

陸上競技では、無い実力は出ません。自分の力より高いレベルの走りは絶対にできません。まぐれはありません。自分の力を出し切ることも難しいものです。だからこそ、自分の力を出し切ることに集中することが大切なのです。

自分を信じて、やってきた練習の動作をリラックスして再現することです。

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真剣に努力すること、努力から得られる仲間、達成感、感動

才能と努力

才能あり、努力する①
才能あり、努力なし②
才能なし、努力する③
才能なし、努力なし④

今回は、言葉のかけ算からの話です。

過去記事でいくつか言葉のかけ算をしてパフォーマンス改善方法を紹介しました。

新しい話、【才能】と【努力】です。

①才能あり、努力する
断然に強いです。当面この人に叶うのは同様の①の人だけです。

②才能あり、努力なし
中学生では通用しても高校生になると通用しなくなるでしょう。そして、陸上部を辞めるパターンになりやすいです。

③才能なし、努力する
最も多くの選手のことです。私は間違いなく③です。足は遅いですが、自分なりの勉強、研究と努力だけは続けています。場合によっては①の選手に勝てるかもしれません。

④才能なし、努力なし
陸上部にも入らないでしょう。ごく普通のランニングをしない人です。目標がないから努力する必要性もありません。何も罪なことではありません。もし、陸上部に所属していて④なら最悪です。周りに迷惑をかけるので退部するか、気持ちを改めるべきです。
 
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才能とは?

遺伝的な体格、運動能力、親御さんの特性を受け継いだ運動特性(瞬発力、持久力)

何も練習しなくても走るのが速い人はいます。天性のセンスです。
 
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努力のきっかけとは?

努力とは、意志を持って継続する行動です。目標が努力する意志を生みます。

学生なら、興味があるから陸上部に入ります。社会人ならクラブチームに入ったり、マラソン大会にエントリーしてみようと考えます。

一度レースに出たら目標記録が明確になります。自己ベストを更新することが当面の目標記録になります。

また、身近な先輩や同期がライバルになることもあります。練習で競り合ったり切磋琢磨しながら自分の持ち味に気付きます。

大会に出るようになると順位の欲が出てきます。予選通過するための戦術や駆け引きを意識するようになります。漠然と全力で走るだけでは物足りなくなってきます。技術的な目標ができます。

このように、誰も最初から明確な目標が、あって真っ直ぐ努力している訳ではありません。

学生なら毎日の部活動、社会人なら週末のクラブチーム練習会などでチームメイトに感化されることもあります。

仲間の存在が原動力になることもあります。リレーや駅伝がそうです。

このように努力するきっかけはたくさんあります。速い、遅いは関係ありません。

個人として自分のためにどうしたいのか?が大切です。自分はどうなりたいのか?その姿を明確にイメージできればできるほどがんばれます。

 
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学生の部活動の意義

根気
何かに真剣に打ち込むことで根気を養います。

忍耐力
上手くいかなくても投げ出さない忍耐力が身につきます。

問題意識
自分の行動に間違ったことは無いか?失敗から学ぶことで問題意識を高めます。

目的意識
目標を明確に持つことでその為の行動が決まり、日常生活の中でやるべきことが明確になります。

組織の一員
先輩、後輩、顧問との関係から友達同士の関係からは学ぶことができない小さな社会を経験することができます。

仲間との絆
部活動を通して友達ではない仲間になります。年齢や性別を越えた仲間はかけがえのない宝物になります。

健康の大切さを知る
元気に走れるのは健康だからです。病気や怪我をした時に初めて健康のありがたみを知ります。

感謝
支えてくれている家族、仲間、先生への感謝の気持ちが持てるようになると人間として大きく成長できたと言えるでしょう。ライバルの存在に感謝することもあるでしょう。

達成感
何かひとつ成し遂げるということは中高生たちの今後の人生において大きな意味を持ちます。

競技成績が悪いから部活を辞めろ!と言う顧問はいかがなものかと思います。
過去記事で質問を受けた学生の話を書いています。
スポーツ特待生で入学した場合は話は別ですが。

 
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まとめ

このように、大会で優勝したり全国大会で活躍するだけが部活動の目的ではありません。陸上競技の技術的なこと以外にも多くのことを学び感じます。大会の結果は良いに越したことはありませんが、真剣に取り組むからこそ得られることは大きいです。

才能があって努力しない人は、周りから【勿体無い】と言われることでしょう。しかし、本人は何とも思っていません。だって興味が無いのですから。

何かに【興味がある】ということは素晴らしいことです。

若い選手は、興味がある陸上競技を思い切りがんばることです!楽しみながら!それが未来の自分のためになるはずです!

若くない社会人アスリート、市民ランナーは、興味を持ったランニングやトライアスロンを一生懸命に取り組むことです。同じ志を持った仲間との出会いは、仕事だけの人間関係になりがちな人の輪を大きく広げてくれます!

【興味と努力】、これらがある生活はとても楽しいものです。娯楽では得られない【感動】を得ることができます。

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男子800m選手の壁2’00″00突破の条件と練習方法


800m2’00″00を突破するために、必要な他の種目の実力は?

一概には言えません。
個人の持ち味があって、得意な距離や能力があります。陸上競技は、その一番得意な能力を専門種目にしていると言えるでしょう。

それでは次に、得意分野について考えてみます。

瞬発力が得意な人、持久力が得意な人、その中間の人

言い方を変えると、
短距離タイプ
中距離タイプ
長距離タイプ
の3分類です。

400〜5000m記録相関表

短距離と中距離の間、また中距離と長距離の間の人も当然います。私たち人間は機械ではありませんので、無段階に持ち味があります。

自分が何の力が得意なのか、また苦手なのかを自分で把握することが大切です。

簡単に説明するために3タイプで話を進めます。

 
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タイプ別で見た、他の種目で必要な記録

タイプ別の記録一覧表
この表から、各タイプ800m2’00″の隣の記録を以下に抜き出しました。

短距離タイプ
400m51″7
1500m4’24”
3000m9’48”
5000m17’24”

中距離タイプ
400m52″9
1500m4’12″0
3000m9’18”
5000m16’00”

長距離タイプ
400m53″1
1500m3’57”
3000m8’43”
5000m15’00”

長距離タイプの選手は、800mよりも1500mを専門にしており時々スピード練習として800mに出る程度の人が多いと思います。

ですので、800mをメインに考えて2分を切ろうと考える選手は短距離タイプか中距離タイプの人だと思います。
 
 

400m51″7〜52″9が必要なスピード

100mあたり12″9〜13″2を維持しなければならないスピードです。

この練習を参考にして、まずは100mでそのスピードを如何にラクに、無駄な力を入れずに走り続けるかを研究してください。
100mを反復する基礎的なスピードトレーニング

その次のステップが、
200m×3本×2set
設定は26″0切り
つなぎは100m歩き約2′
set間10’rest
各setで意識するイメージ
①前半の200m入り速め
②中間の200m一定ペース
③後半200mラストスパート

仕上げの練習が、
レペティション300m×2〜3本(15’rest)
設定12″9ペース=38″7
導入当初や疲労度合いによっては2本
①400mの入り、スパート無し
②中間走、コーナー直線コーナー、スパート無し
③ラスト300m、直線コーナー直線、スパートする!
 
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800m2’00″00を切るための練習

インターバル200m×5本×2set
設定29″台後半
つなぎjog200m90″
set間10’restまたはjog600m4’30”
800mのレースのどこかの部分をイメージしながら走ります。入り、前半、中間、後半、ラスト等

インターバル300m×3本×2set
設定44″台後半
つなぎjog100m45″
set間10’rest
上の200×5×2をより実戦的にしたものです。休憩が短く、一度に走る距離が長いので3本目はレースに近い感覚になります。
入り、中間、ラストをイメージします。

切り替え走300m×5〜8本
設定、入り200m31″0+ラスト100m14″前半
つなぎ300m歩き約5′
レースのラスト300mをイメージしたものです。中だるみして31″かかる想定からラスト100mで切り替え、スパートする感覚を掴みます。

レペティション
400m×3(15’rest)
設定
①800mの一周目より少し速め。
②それより速く
③全力
最初は2本から行います。ペースを遅くして3本やるより、速い2本の方が効果的です。3本目は入りから突っ込んで、中間疾走を上手く走り、ラストスパートまでしっかりして出し切ります。

セット走(600m+300m)×2set
設定1’29″0、jog200m90″、31″+14″台
set間15′
600mはレースの入り〜600m通過をイメージ
つなぎは400トラックの場合は600m地点から50m進み、水濠で折り返して150m戻り、1500mのスタート位置から300mを走ります。ラストの300mは切り替え走でスパートします。

レペティション600m+400m+300m
設定1’29″、57″、39″を目標
800mレースペース、後はそれ以上で。
回復時間15’rest
 
 

1500m4’12〜4’24が必要なスピード持久力

インターバルなどで目指すペースはこれです。レースペースです。

スピードタイプ〜中間タイプ
100m16″8〜17″6
200m33″6〜35″2
300m50″4〜52″8
400m67″2〜70″4
1000m2’48″〜2’56”

練習メニュー
インターバル300m×5×3
設定タイム〜
つなぎjog100m(インターバル走るタイムと同じ約50″)
set間10’restまたはjog700m約6′
①②一定ペースでリズミカルに。
③3本まで一定、ラスト2本上げる-3″目標

レペティション
1000m+600m+300m(15’rest)
①1000mは1500mのペース前後
②600mは800mのペース1’29″0目標
③300mは全力、400mのペース39″0前後目標
このメニューは、1500m、800m、400mのスピードが全て入っています。
1本目は、余力を残したリラックスした走りを。
2本目は、予選の疲れがある決勝レースの入りをイメージして。
3本目は、スピード持久力のトレーニングであり、疲れがある中でも気持ちを切らさずに最後まで走りきる心の強さも試されます。
 
 

3000m9’18″〜9’48″が必要な持久力

レースペース=インターバル練習での設定ペース
スピードタイプ〜中間タイプ
400m74″4〜88″4
1000m3’06″〜3’18”

インターバル400m×10本
設定〜
つなぎjog200m(インターバルで走ったタイムの2倍約2’30”)
力みの無いリズミカルな走りを。
800mのために、必ず必要な練習ではありません。秋冬の駅伝シーズンにやれば良い練習です。
また、トラックシーズンでもバランス良くトレーニングしたいと考える場合は、この様なメニューになるという参考にしてください。

レペティション1000m×3(15’rest)
①3000mのペースより5″〜7″速く
3’00スパート無し
②3’00スパート無し
③2’55スパート有り!
1500mより遅いペース、3000mより速いペース
この練習をしておくことで、3000mを走る時のゆとりが生まれます。

この練習も800m対策ではありません。
冬季練習や駅伝の時期にやれば良い練習です。
練習メニューのバリエーションとして参考にしてください。
 
 

一週間全体のメニュー

練習メニュー検索をして確認してください。
中学生は現在の3000mのタイムで、高校生以上は5000mのタイムで選択してください。

基本的な持久力を強化する練習は、800mのタイムから算出するのでは無く、持久力の能力を現す3000mまたは5000mを基準にします。

jogやペース走は、総走行距離の大半を占める大切な基礎トレーニングです。

自分のレベルに合ったペースで、適度な距離をコツコツと練習しましょう。

無理に距離を伸ばしたりすると、極度な疲労で練習の流れもおかしくなります。膝などの怪我のリスクも高まるので、無理な走行距離を走る練習はやめておきましょう。

練習メニュー検索で自分に合ったメニューを確認する。
 
 

怪我の予防

怪我は予防して、練習を中断しないことが一番です。もし、怪我をしてしまった場合は、焦って練習を再開して再発しないように、充分注意してください。諦めてはいけません!!リハビリやその時にやれることをしっかりやっていれば道は開けます。

しやすい怪我と対処

 


 

この練習をこなせば800m1分台が出せるのか?

そういう話ではありません。2’03″〜2’00の選手がここで紹介したペース設定でメニューをこなせば力がついてきて、1分台で走る力がつくと思います。

こちらも参考にしてください。
800m1分台目前の選手へのアドバイス

しかし、かけ離れた記録(2’10など)の選手はこのメニューをこなすことはできません。背伸びし過ぎです。今の実力に合ったメニューをこなしていくことで、少しずつ力がついてくるものです。

高すぎる目標や設定タイムでは好結果は生まれにくいです。目の前の達成できそうな小目標を決めて、それを達成し続けてください。いきなり飛躍は難しいです。

例えば、800mなら
2’10→2’08
2’08→2’06
2’06→2’04
2’04→2’02
2’02→2’00
と言った具合です。

800mで2″0縮めるためには、400m1″0、200m0″5、100m0″25です。

100mあたり約50歩で走っているので、1歩あたり0.005秒の短縮になります。1歩あたりのこんな僅かな時間の積み重ねが800mで2秒になるのです。

効率的なフォームがいかに大事かわかると思います。

キツイ練習をすれば速くなる、という訳ではありません。キツくてメチャクチャなフォームでもがいているようではタイムは出ません。逆に遅くなります。
 
 

まとめ

一番大切なのは、レースペースの練習です。記録会や小さな大会に出ることが最も効果的な練習になると思います。きちんと練習を積んできて、最高のフォームで最高のイメージを持って、最高の精神状態でスタートラインに立つことが大事です。

スピード練習は絶対に必要です!

練習では、インターバルレペティションでレースを分割したイメージをしっかり持って、ペース感覚やリズム感、後半の乳酸が溜まってからの身体の感覚を何度も体験しておきます。

レースを想定した走るイメージトレーニング

レースやタイムトライアルで、それをつなげて走ります。

レースを走ると、良かった点、悪かった点が分かります。

それをまた次の練習に取り入れて、どんどん自分なりの意識付けを加えて行くことが大切です。

狙った大会や一発本番だけはやめた方が良いです。何度か記録会で自分のレース展開を試しておくべきです。

一人でも多くの選手が、全国のスタートラインに立てるように、また自己ベストを更新できることを願っています。

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色彩とメンタルの関係


色が心に与える影響

みなさんは何色が好きですか?
私は黄緑色が好きです。

また、強豪校のユニフォームやジャージを見ただけで、着ている選手が強そうに見えることってありませんか?これは色の問題ではなくて、そのチームが出してきた結果が印象付けた思い込みです。

今回は、心理的な思い込みと色が人に与える影響を上手く捉えて利用する方法を考えてみます。
 
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寒色は落ち着き、暖色は興奮

寒色とは、青や緑系の色です。
暖色とは、赤や黄色系の色です。

落ち着くということは、副交感神経が優位になることです。

興奮するとは、交感神経が優位になるということです。

交感神経と副交感神経の切り替えを、アップとストレッチですることは過去記事で紹介しています。また、睡眠にも関わっています。

ウォーミングアップ

クーリングダウン

賢いストレッチ

アスリートと睡眠

 
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暖色、寒色以外の色

黒と白
白は明るいイメージ=純真無垢、晴れやかで明るい清楚な印象です。

黒は暗いイメージ=落ち着き、無、悪役の印象です。

 
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色の活用

ポイント練習、高強度トレーニングの日は、暖色系を身につけると興奮状態になりやすく、前向きな心構えで練習に臨めます。

回復練習や休養の日は、寒色系を身につけると落ち着いた心理状態になりやすくリラックスできます。

 
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揃いのジャージ、ユニフォームなどで団結力を高める

強豪校であれば、先輩達の伝統と自分達の責任を感じることでしょう。

強豪校以外でも、統一されたデザインのものはチームとしての一体感が出ます。同じユニフォームを着ているだけで親近感が湧きます。仲間意識が芽生えやすくなります。チームで一丸となって団結力を高めたい時は全員で揃えるべきです。

自分たちだけでいるときはあまり感じませんが、他のチームが何チームもいる大会などの場所では特に仲間意識が強まります。

自分のチームと同じ色合いのユニフォームを見ただけで、どこの学校が気になりますし親近感も湧いてくるものです。

これらは、色の条件よりも思い込みが作用しています。

ジャージの他に、揃えたTシャツでも同様の効果が期待できます。同じタイミングで着るには事前の打ち合わせが必要になります。

 
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大事なポイント練習で大会用ユニフォームを着る

大事なポイント練習で、大会用のユニフォームを着ることは、気合を入れて気持ちを高める効果があります。

毎回着ていると、特別感が薄れるので頻度を考えて着る必要があります。

 
 

サングラスの活用、色で脳を錯覚させる

中高生はサングラスをして練習したりレースにでることは無いと思いますので、大学生や社会人向けです。

レンズには可視透過率があり、10%では太陽光をほとんど遮断、90%ではかなり明るいレンズになります。何種類か揃えておくと使い分けができます。

装着した時、視界に色がかかるタイプのレンズがあります。暖色系と寒色系です。

暖色系レンズは、秋冬の低温時に暖かく感じます。夏など暑い時にかけると余計に暑く感じるので避けるべきです。

寒色系レンズは、夏など暑い時期に視覚的に涼しさを感じさせてくれます。

練習、レース時の気温に応じて使い分けることをおすすめします。

個人的な話ですが、私はグレー系の可視透過率60%程度の明るめのレンズを好んで使っています。視界の色が変わらないタイプです。トンネル内もそのまま見えるくらいです。オークリーの偏光ミラーレンズです。

余談ですが、普通レンズ、偏光レンズ、ミラーレンズ、調光レンズなどたくさんの種類があります。私は全て持っていますが、日常の練習でいつも使っているのは先に紹介したものです。

調光レンズは、秋冬のバイク通勤時に。
暖色系レンズは、真冬で天気が良い寒い日に。
寒色系レンズは、猛暑日の練習やトライアスロンのレースに。

完全な大人の楽しみです。

現在、学生のみなさんも大人になればまた違った楽しみもでてきます。余談でした。
 
 

まとめ

練習メニューを組み立てる知識やランニングフォームの技術、運動生理学などの要素以外にもパフォーマンスを向上させる効果がある要素があります。

今回は、色と揃えたユニフォームなどを紹介しました。

学生は、部活動に所属しないと大会に出られない規定になっているので、必ず揃えたユニフォームがあると思います。チームメイトがいることは素晴らしいことです。

同じ時代に同じ場所で育ち、同じ部活動に所属しています。人類70億人近くいる中で出逢った貴重な仲間です。

仲間と切磋琢磨できる環境こそが、パフォーマンスを向上させるもうひとつの要素になります。若い時に出逢った仲間との想い出は生涯色あせないものとなるはずです。

自分なりの、金色に輝く結果を出せるように今をがんばってください!!

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女子1500m5’00″0突破への道


女子1500m5’00″を突破するために、必要な他の種目の実力は?

個人の持ち味があって、得意な距離や能力がありますので、一概には言えません。

スピードが得意なタイプであれば、800m2’16″台
短い距離が苦手なタイプ(持久力タイプ)であれば800m2’32″くらいだと思います。持ちスピードの幅はこれだけあると思います。

3000mであれば、11’05″前後の持久力は必要だと思います。持久力が得意なタイプであれば10’59″くらいの力はあるでしょう。

それでは次に、得意分野について考えてみます。

瞬発力が得意な人、持久力が得意な人、その中間の人

言い方を変えると、
短距離タイプ
中距離タイプ
長距離タイプ
の3分類です。

短距離と中距離の間、また中距離と長距離の間の人も当然います。私たち人間は機械ではありませんので、無段階に持ち味があります。

1500mに出る選手は、中距離タイプか長距離タイプが主だと思います。短距離タイプの人は400mや800mを専門にするでしょう。

記録相関表を参考にしてください。

自分が何の力が得意なのか、また苦手なのかを自分で把握することが大切です。

簡単に説明するために3タイプで話を進めます。

 
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タイプ別で見た、他の種目で必要な記録

記録相関表から、各タイプ1500m5’00″の隣の記録を以下に抜き出しました。

スピードタイプ(瞬発力)
400m58″台
800m2’16”
3000m11’07

中間タイプ
400m63″台
800m2’23”
3000m11’05”

持久力タイプ
400m67″前後
800m2’32”
3000m10’59”

瞬発力タイプの人は1500mを専門にしないと考えて、以下は中間タイプと持久力タイプで話を進めます。

 
 

800m2’16〜2’23が必要なスピード持久力

100mあたり17″0〜17″後半が維持しなければならないスピードです。

この練習を参考にして、まずは100mでそのスピードを如何にラクに、無駄な力を入れずに走り続けるかを研究してください。

800mのレーススピードを反復するメニューを参考にしてください。
100mを反復する基礎的なスピードトレーニング

その次のステップが、
200m×5本×2set
設定は34″0〜35″台
つなぎはjog200m100″
set間10’restまたはjog600m5’00”
淡々と一定ペースでリズミカルに走れるように、前半突っ込んだり後半上げたりしません。2set目の最後2本はトレーニング効果を高めるために、ラストスパートします。

 
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1500m5’00″を切るための練習

1500m5’00″は100m20″0ペースです。

インターバル300m×5本×3set
設定59″台
つなぎjog100m60″
set間10’restまたはjog700m7′
1500mのレースのどこかの部分をイメージしながら走ります。入り、前半、中間、後半、ラスト等

インターバルとレペの間
400m×5〜6本
設定79″台
つなぎ400m歩き6′
1500m5’00″より少しだけ速いペース。
実戦的なスピードを力まずに、リラックスしたスピードを出せるように。つなぎはレペよりも短くインターバルより長い設定です。
入り、中間、ラストをイメージします。
最後の1、2本は入り100mを抑えてラスト300mで切り替えてスパートします。

レペティション800m×3
設定2’39″(1500mのレースペース)
15’rest
①入り800mをイメージ、1500mスタート地点から。スパート無し
②中間800mをイメージ、ゴールラインからスタートして300m〜1100mをイメージする。スパート無し
③後半800mをイメージ、ゴールラインからスタートして700m〜1500m区間をイメージ。スパート有り!

レペティション1000m+600m+300m
設定3’19″(79″台)、1’56″(77″台)、50″を目標
1500mレースペース、後はそれ以上で。
回復時間15’rest
1本目はレースペースの確認
2、3本目は、スピード持久力のトレーニングであり、疲れがある中でも気持ちを切らさずに最後まで走りきる心の強さも試されます。
 
 

3000m11’05″前後が必要な持久力

レースペースは
400m88″0
1000m3’40″0(11’00″ペース)

インターバル400m×10本
設定88″0
つなぎjog200m(インターバルで走ったタイム約1’30”)
力みの無いリズミカルな走りを。
1500mのために、必ず必要な練習ではありません。秋冬の駅伝シーズンにやれば良い練習です。
トラックシーズンでもバランス良くトレーニングしたいと考えるなら参考にしてください。

レペティション1000m×3(15’rest)
①3000mのペースより5″〜7″速く3’35″スパート無し
②3’30″切り、スパート無し
③3’25″スパート有り!
1500mより遅いペース、3000mより速いペース
この練習をしておくことで、3000mを走る時のゆとりが生まれます。

この練習も1500m対策ではありません。
冬季練習や駅伝の時期にやれば良い練習です。
練習メニューのバリエーションとして参考にしてください。
 
 

ATペース走

AT(有酸素運動と無酸素運動の境目)でのペース走は1500mだけでなく中長距離種目のレベルアップのためには絶対に必要でとても大切な練習です。週に2回はやっておきたい練習です。

中学生であれば、全中に出るレベルでも合計10000m以下で、2回に分割して走れば効果的です。

長くて5000m×2、4000m×2、3000m×3、6000m×1等、ペースをATより少し速くするなら分割して、少し遅くするなら長めに走っても良いです。

自分のATペースは、練習メニュー検索で確認してください。
 
 

一週間全体のメニュー

練習メニュー検索で、現在の3000mのタイムを基準にして選択してください。

基本的な持久力を強化する練習は、1500mのタイムから算出するのでは無く、持久力の能力を現す3000mを基準にします。

jogやペース走は、総走行距離の大半を占める大切な基礎トレーニングです。

自分のレベルに合ったペースで、適度な距離をコツコツと練習しましょう。

無理に距離を伸ばしたりすると、極度な疲労で練習の流れもおかしくなります。膝などの怪我のリスクも高まるので、無理な走行距離を走る練習はやめておきましょう。

練習メニュー検索で自分に合ったメニューを確認する。

怪我は予防して、練習を中断しないことが一番です。もし、怪我をしてしまった場合は、焦って練習を再開して再発しないように、充分注意してください。諦めてはいけません!!リハビリやその時にやれることをしっかりやっていれば道は開けます。

しやすい怪我と対処

 


 

貧血の予防、改善

もし現段階で、頻繁に立ちくらみしたり、貧血気味の人は早く治すべきです。

中長距離選手は、ランニングの接地衝撃によって、足裏毛細血管内でヘモグロビンが壊れてしまう溶血になりやすいです。

現在貧血気味じゃない人も食生活にも気を配り貧血を予防しましょう!特に女子選手は貧血になりやすいです。

中でも思春期の中学生と高校生はダイエットをしたくなる時期でもあります。やせたい一心で食事を疎かにすると、必要な栄養素が足りなくなり体調を崩す原因になってしまいます。食事は三食きちんと食べましょう。やせたいなら夜のお菓子をまずやめるべきです。完全にやめることがストレスなら、まずはお菓子を減らすことからやってください。

スルメはおすすめです!太りませんし、しばらく噛んでいられるので満足します。しかも、美味しいです。

持久系アスリートの貧血について
 
 

まとめ

一番大切なのは、レースペースの練習です。記録会や小さな大会に出ることが最も効果的な練習になると思います。

練習では、インターバルやレペティションでレースを分割したイメージをしっかり持つことが大切です。また、ペース感覚やリズム感、乳酸が溜まってからのキツイ場面での感覚を体験しておく必要があります。

レースを想定した走るイメージトレーニング

レースやタイムトライアルで、それをつなげて走ります。

レースを走ると、良かった点、悪かった点が分かります。

それをまた次の練習に取り入れて、どんどん自分なりの意識付けを加えて行くことが大切です。

一発本番だけはやめた方が良いです。何度か記録会で自分のレース展開を試しておくべきです。

一人でも多くの選手が、自己ベストを更新して【自己最高の自分】になれることを願っています。

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超回復のサイクル


超回復のサイクルの基本

超回復のサイクルは通常48時間〜72時間で起こります。2日か3日ということです。

超回復とは、トレーニング前の元の状態よりもレベルアップして回復することです。
 
 

超回復のサイクルを1週間や1ヶ月の練習メニューに組み込んで考える

トレーニングでは超回復を狙って、ポイント練習や回復練習を組み合わせます。毎日ポイント練習を行うことはこれに反しています。

高強度のトレーニングなら3日周期で、高強度トレーニングでも量を抑えれば2日サイクルで行います。また、やや強度を落とした高中程度のトレーニングも2日周期で良いです。
 
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回復したかどうかの判断基準

主観的な判断では、筋肉痛が無くなったかどうかです。

客観的な判断としては、毎朝起床直後に心拍数を計測して記録し続けている人なら心拍数の変化で判断することができます。疲労状態では心拍数は高く、疲労が無い時は下がります。

心肺機能のトレーニング適応によっても起床時心拍数は低下します。
 
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心肺機能の回復

感覚的に、筋肉の修復よりも速く回復します。骨格筋の修復がされていれば呼吸筋は問題ありません。持久力の維持をするために、強度が高いトレーニングをする日以外も、適度な有酸素運動をする必要があります。それが、心拍70%の基本jogであったり心拍60〜65%の回復jogです。

心拍数をトレーニングに活用するための知識

 
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まとめ

超回復のサイクルを意識したトレーニング計画を立てることで、オーバートレーニングを未然に防ぎます。

トレーニング計画の立て方

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市民ランナーとトライアスリートのための時短ラン練習、ハードなキツイ練習は必要最小限に。


基本はジョギング

無駄なことはできるだけしたくありませんよね。ゆっくり過ぎるジョギングはスピードを出しにくくする悪影響がありますので、リズムよくやや速めのペースでジョギングすることをおすすめします。

短時間で終わりますし、心拍数もやや高めで走るので持久力の向上も期待できます。
 
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基本のジョギングは心拍数割合なら70%

自分に合ったジョギングのペースを確認しておきましょう!

現在の走力で、練習メニュー検索をすれば設定ペースを確認することができます。

トライアスリートの場合は、ラン+バイクのブリック練習で走るべき最低限のランのペースになります。

 
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ゆっくり長く走るLSDをなるべく控える

LSDとは、ロングスローディスタンスの略です。時々、楽しみながら長くゆっくり走るのは良いと思います。しかし、日常的にゆっくりペースだけでは身体がそうなってしまいます。速い動きに対応できなくなります。

トライアスリート、デュアスリートの場合はランでLSDをすると時間がかかりますので、バイクでやれば良いと思います。ロングを目指している選手はエネルギー枯渇の対策練習として必要に応じて取り入れてください。

LSDのメリットとデメリットをしっかり把握した上で取り組みましょう。
 
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心拍計を活用して運動強度を管理する

トレーニングで心拍計を活用することで、必要最小限のペースと距離で最大の効果を期待することができます。無駄な距離はなるべく走らないという考えです。

最大心拍数からの割合と運動強度は以下の通りです。

60%未満、LSD
〜65%回復jog
〜70%基本jog
〜75%速めjog
〜80%長めペース走
〜85%ATペース走
〜90%速めペース走
〜100%レース全力

最大心拍数がわからない人は、とりあえず220-年齢の公式で出た数字を使えば良いです。本来の数値と誤差がある可能性はありますが目安になります。

例えば、45歳なら220-45=175回を最大心拍数として設定します。

この際、心拍計の設定は回数表示ではなく、割合%表示にしておくとわかりやすいです。
 
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疲れているけど走りたい日は、回復jog60〜65%

いわゆるつなぎの日です。30分ほどのjogが適当です。この日は流しはしません。筋力を休ませる目的です。
 
 

少しがんばりたい日は心拍70→75→80%のjogからビルドアップ走

走りながら、「今日は調子良いな!少し上げてみるか!」と思えたなら、後半ペースアップしてみましょう!

基本は心拍70%のjogで一定ペースです。
これを、後半ペースアップします。

例えば、10kmのランニングを予定していたなら、
jog5km(70%)様子見で一定ペース
jog5km(70→75→80%)ビルドアップ

最後に流し100mを3〜5本で締めくくります。
軽くダウンします。
 
 

時間があまりとれないけど、しっかり練習したい日のメニュー

ランニング10kmの中で、走りながら流し100mを10本入れます。つなぎはjog100mです。

jo7km(70%→75%)
流し100m×10(jog100m)=2km
jog1km(60%)ダウン

流しとつなぎの100mはだいたいよ距離で構いません。普段、100mを何歩で流ししているか数えておけば、どこでも約100mの流しができます。

GPSウォッチを使えば客観的に距離もわかります。最近のGPSウォッチは精度がとても良いです。
 
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GPSウォッチの活用で、どこでも距離とペースを把握する

GPSウォッチを活用することで距離がわからないコースでも距離とペースを管理したトレーニングが可能になります。

社会人の特権です。学生にとっては高い買い物です。学生はトラック練習が基本なのでそんなに必要ありません。

心拍計とGPSが一体になった商品も多数あります。しかも防水です。自分の用途、使用頻度によって選べば良いでしょう。

手首で心拍計測するタイプ、ランニング専用モデル

胸ベルト計測タイプ、スイム、トライアスロン対応

 
 

ペース走はキツイからあまりしたくないけど、ペース走は必要だと思っている人向けの練習

ランニング10kmの中で全て完結させます。

アップjog2km(70%)
流し100m×5(jog100m)=1km
回復jog1km(スロー60%未満)
ペース走1km(80%)(jog500m)
ペース走1km(80%〜85%)(jog500m)
ペース走1km(80%〜85%)(jog500m)
ペース走1km(85%)
ダウンjog500m(スロー60%未満)
これで連続10kmです。

短時間で終わります。

メニューで書くと1km×4ですが、インターバルトレーニングではなくあくまでもペース走の設定で、AT付近で走ります。これをアレンジしてスピードを上げればインターバルになります。時期によって使い分けると良いでしょう。
 
 

まとめ

運動生理学やトレーニングの組み立て方を理解してくれば、どんなメニューもアレンジ可能になります。

自分の生活スタイルに合った時短メニューを考えたり、近所の広い公園を練習コースにしてインターバルトレーニングを組んだり、河川敷でペース走をすることも可能です。

学生の陸上競技は、学校のグランドや陸上競技場のトラックが主な練習場所になります。

社会人は、自宅の近く、職場の近く、昼休みのちょっとした空き時間など、貪欲に隙間時間を探して思いつきで練習をすることも多いと思います。

そんな時でも、一週間や一ヶ月、レースまで逆算した流れを考えて、柔軟な発想の思いつきで、流れに乗った臨機応変なメニューを組み立てて実行する能力も必要です。

心拍管理を基本としたペース設定、心拍計、GPSをフル活用して、来たるべき週末のレースを全力で走るために日々工夫したトレーニングをがんばりましょう!

ペース走のペース設定の考え方


ペース走のペースをどのようにして決めていますか?

顧問に言われたから、先輩たちがやっているからという理由で、何の根拠もわからないままペース走のペースを決めて走っている人は少なくないと思います。

昔の私もそうでした。

4’10でこなせたから、次は4’05でという具合でした。少し余裕を持って走れるか走れないかのギリギリのところでやっていたように思います。なんともあいまいな決め方です。
 
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適切な練習ペースは心拍数で決定する

人間の心臓は、自分の意思とは関係なく動く【不随意筋】です。一方、骨格筋は【随意筋】です。意識して思い通りに動かすことができます。

心拍数は、寝ている時の安静状態で最も低くなります。激しい運動をしている時に高い心拍数になります。

以下に、大まかな心拍数の変化と運動の負荷を示します。1分間での回数です。心拍数には、個人差があるので数値は参考程度にしてください。

一般的な20歳前後の選手の最大心拍数を200回/分と仮定したものです。

40〜50回、睡眠状態
50〜60回、安静
70〜90回、歩き
90〜100回、速歩き
100〜120回、ゆっくりなジョギング
120〜130回①ややゆっくりなジョギング
130〜140回②適度なジョギング
140〜150回③速めのジョギング
150〜160回④かなり速めのジョギング
160〜170回⑤適度なペース走
170〜180回⑥ペース走より速い
180〜190回⑦レースペース(レース序盤)
190〜200回全力運動(レース終盤)

①〜⑦で番号をつけてある範囲が、私のホームページで紹介している練習メニューで走る範囲になります。

タイム設定一覧表

 
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ペース走で設定すべき範囲は④⑤⑥

1分間の心拍数
150〜160回④かなり速めのジョギング
160〜170回⑤適度なペース走
170〜180回⑥ペース走より速い

④は余裕を持った長めのペース走
⑤が最も基本的なペース走
⑥はレースよりも遅いけどペース走としては速めの練習

それでは、以下にそれぞれについて、練習メニューとともに説明します。
 
 

④余裕を持った長めのペース走

最大心拍数の75〜80%を狙います。

5000m
15’00の選手で3’57″〜3’38″、16〜20km
17’00の選手で4’29″〜4’07″、10〜12km
19’00の選手で5’00″〜4’36″、8〜10km

走力の低い選手は、このゾーンであまり長く走る必要はありません。もう一つ上のペースで練習をする方が効果的です。

14分台を目指している選手は、定期的に長い距離を走る必要があります。淡々とリズミカルに、一定ペースで省エネ走法を研究しながら走ることでランニングエコノミーの改善を狙います。

地面を蹴らない、コンパクトな腕振り、速めのピッチで筋力の負担を減らすなど、自分でテーマを考えて取り組みましょう。

ランニングエコノミーとは、フォームの無駄を省いたり無駄なエネルギーをより使わないようにすることです。

このゾーンは、有酸素運動の領域です。乳酸が急激に溜まり始めるAT=無酸素性作業閾値(いきち)の手前にあたります。有酸素運動としてはかなり高いレベルの運動になります。
 
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⑤最も基本的なペース走=ATペース走

最大心拍数の80〜85%を狙います。

AT、無酸素性作業閾値は最大心拍数の80〜85%で出現する人が多いです。レベルが上がればもう少し高めの選手は存在しますが、トレーニングの強度設定としては、高すぎるよりも少し低いくらいが安全確実です。ゆとりがあれば後半ペースアップをして負荷を調整すれば良いです。

このゾーンは無酸素運動と有酸素運動の境目と言われています。スピードが上がるにつれて血中乳酸濃度が徐々に高くなっていきますが、ATを境目として急激に乳酸の溜まり方が上昇します。

この境目付近でトレーニングすることで、効率的に持久力を強化することができます。

ATペースは20分を2回行うことで充分効果があるそうです。メニューとしては20分+20分、つなぎは心拍65〜70%のjog約5分です。その日の体調によって5分歩きでつないでも良いです。後半をしっかり走る方が大切です。

設定ペースで前半をイーブンで走り、心拍が85%未満であれば、つなぎjog後の後半を設定-5″で走ると良いです。

走力に応じて、タイムが20分前後になるように距離をキリよく設定して、つなぎはjog1000m〜1200mとします。

5000m
15’00の選手で3’38″〜3’28″=設定3’30”
6000m×2、つなぎ1200m4’21″〜4’12″ペース

17’00の選手で4’07″〜3’56″=設定4’00”
5000m×2、つなぎ1000m4’56″〜4’45”

19’00の選手で4’36″〜4’24″=設定4’30”
4000m×2、つなぎ1000m5’31〜5’19

 
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⑥レースよりも遅いけどペース走としては速めの練習

最大心拍数の85〜90%を狙います。

ATより高いゾーンで走り続けます。ATより高いですが、最大酸素摂取量ペースよりも遅い範囲です。

感覚的にはハーフマラソンのペースよりも少し速めです。ハーフマラソン前のレースペースを確認する時は、これより数秒落とせば練習にも活用できます。

ちなみに、フルマラソンのペースはATを超えることは無いと言われています。先の項目⑤のペースに近いと考えられます。ただし、きちんと走り込んで身体の準備ができている選手に限ります。

5000m
15’00の選手で3’14″、6000〜8000m
17’00の選手で3’39″、5000〜7000m
19’00の選手で4’05″、4000〜6000m

この練習の後に、10分ほど休憩してからレペティションを追加するとトレーニング全体のバランスが取れます。

+1000m×1〜2(10’rest)
3000mレースペース前後でリズム良く走ることで筋肉と心配機能に刺激を入れます。これは最大酸素摂取量ペースよりも速いスピードになります。
 
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まとめ

ペース走と言っても幅広いです。

私は、jogでさえもペースを決めて走るべきだと考えていますので、ペース走と言えます。ほとんどの練習はペースを決めるべきなのです。自分に合ったペース=運動強度を把握して、その時々に応じたペース設定をすることが大切です。

疲労回復促進を目的とするjogでは、筋力を休ませつつも軽い有酸素運動をすること。

基礎を固めるjogでは遅すぎないペースでリズム良く一定ペースで走ること。

そして、ATペース走では有酸素運動と無酸素運動の境目を狙うこと。そこをなるべく長い時間維持しながら効率的なランニングフォームを研究することが目的になります。

しかしながら、中学生や高校生が全員心拍計を持てるかと言うとそれは難しいことです。中学生では、時計すら持ち込み禁止の学校もあります。

私のホームページでは、心拍計を使って心拍数を測らなくても、3000mや5000mの持久系の種目の記録(予想)から、それぞれの心拍数割合のペースを算出しています。

これは、自分の測定結果、教え子達の測定結果を基準にして、計算したものです。過去に何百人もこの方法でアドバイスしています。

幅広いレベルの選手を無作為に選び、心拍数を確認したところ、ほとんど当てはまっています。外れているのは、最大心拍数が極端に低い人や極端に高い人です。これらの人は最大心拍数の測定が必要になります。

心拍計を持てない多くの若い選手たちにも、心拍数管理を基本とした、その人に合った練習メニューと設定ペースの提案が可能になっています。

今まで、このようにペース設定をしたことがない選手は、ぜひ一度試してみてください。

自分に合った練習メニューとペース設定を検索する。

polor心拍計

最大心拍数を知って練習に活かすために


心臓は人間のがんばり度合いを表すメーター

人間の心臓は、自分の意思とは関係なく動く【不随意筋】です。一方、骨格筋は【随意筋】です。意識して思い通りに動かすことができます。

心拍数は、寝ている時の安静状態で最も低くなります。激しい運動をしている時に高い心拍数になります。

3kmあたりの距離を全力で走り切ると、最大心拍数になると思います。5kmでは長くて最大心拍数まで上がりません。1500mでは短か過ぎて、最大心拍数に達する前に走り終えます。

中距離種目の方がキツくて苦しいですが、無酸素運動の要素が4〜6割を占めていますので、溜まる乳酸に耐えながらスピードを維持する苦しさからだと思います。

 
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最大心拍数について

若ければ最大心拍数は高く、年齢を重ねるごとに最大心拍数は下がっていくことが考えられます。

昔の公式で、220-年齢=最大心拍数の予想がありますが、個人差があることも承知してください。

ちなみに私は、30歳時で最大心拍数197回を計測
220-30=190、誤差+7回、割合だと3%誤差が生じます。41歳現在でも最大心拍数はほとんど下がっていません。196回です。
220-41=179、誤差+17回、9%

適切にトレーニングを継続していれば最大心拍数の低下はかなりゆるやかになると考えられます。ですので、公式は参考程度にしてください。

小柄な人は心臓が小さく心拍数は高めの傾向があり、逆に大柄な人は心臓が大きく心拍数は低めの人が多いです。個人差あります。

極端ですが、ネズミなどの小動物の心臓はとても速く鼓動しています。

持久系のスポーツに取り組んで、競技力を伸ばすため、または安全にトレーニングを行うために自分の最大心拍数を知ることは大切だと考えます。
 
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最大心拍数をトレーニングに活用する

最大心拍数が分かれば、その割合からトレーニング強度を決めることが容易になります。

心拍計を使った効率的、客観的数値を確認しながらのトレーニングが可能になります。心拍計は自分のコーチになります。

心拍計を練習に活用する

以下に、最大心拍数からの割合で区分した、トレーニング強度を紹介します。
 
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心拍数割合と運動強度

60%未満、LSD
60〜65%、①回復jog
65〜70%、②基本jog
70〜75%、③速めのjog
75〜80%、④遅め長めのペース走
80〜85%、⑤ATペース走
85〜90%、⑥速めペース走
90〜95%、⑦レース序盤
95〜100%、レース終盤、全力

①〜⑦で番号をつけてある範囲が、私のホームページで紹介している練習メニューで走る範囲になります。

タイム設定一覧表

 
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まとめ

主観的な感覚や勘で練習ペースを決定する場合と、客観的な数値を参考にして自分に合った練習ペースを決定する場合では確実性が違います。

しかし、主観的な感覚、フィーリングも大切です。数秒違うだけで気持ちよく走れるペースがあったりします。

リズミカルに走れること、気持ちよく走れることもとても大切です。

主観的な感覚と客観的な数値の両方良いところを取り入れて、

【自分にとってベストな練習ペースを自分で決めることに意味があります。】

これで、トレーニングの五原則のうち自覚性の原則と個別性の原則をクリアすることができます。

polor心拍計

インターバルとレペティションの間のトレーニング

歩きでつなぎ、長く休み過ぎない

インターバルトレーニングは、jogつなぎで、疾走区間のタイム×1/2〜3くらいで回復時間を設定します。(私の考え方です。)
レースペースを基準として何本も反復して走ります。ある程度の質で量を走ります。総距離は、レース距離の2〜2.5倍程度になります。

レペティショントレーニングは、完全休息で15〜20’、時には60’休みを挟みます。3本前後の少ない本数で量より質を追求します。

これらに対して、インターバルとレペティションの間にあたる練習も考えることができます。

歩きつなぎ、回復時間は数分です。

目的は、レースペースの本数反復を適度な負荷で行うことです。身体に疲労を溜めすぎない練習です。レースペースを身につけて、その負荷に身体を慣れさせることを第一の目的とします。

私は、大会数日前の調整段階でポイント練習としても使っていました。
 
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名付けて、インターバルレペ、イメージセット走(あくまでも私の考えです。)

命名は何でも良いですが、インターバルやレペとは分けて考えることができれば良いと思います。

イメージセット走の由来は、必ずレースのどこかをイメージして走ること、そのイメージを頭と身体に慣れさせることを目的としているからです。

この練習の考え方は、現在取り組んでいるトライアスロンの練習でもそのまま活かされています。バイク練習で、速度を上げる練習では必ずレースを想定し、練習コースの選定も大会のバイクコースに似たレイアウト(坂道の長さや斜度、平坦路の長さなど)でやっています。そのコースで、区間ごとにレースの部分を想定して、レースに直結するポイント練習をやっています。

 
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インターバルレペ、イメージセット走の具体的な練習メニューの作り方

(1) まず、狙う種目を決めます。
例、800

(2) 目標タイムを設定します。
例、2’00″0

(3) 走る距離を決めます。レースより短く、1/2〜100mが適当です。
例①400m,300m,200m,150m
例②300mのみ

(4) 走る順番を決めます。
例①400+200+300+150
例②300m×5

(5) つなぎの距離を決めます。
次の距離を歩きでつなぎます。
例①
400mの後は200m歩き
200mの後は300m歩き
300mの後は150m歩き

例②
300m歩きで戻ります。(約5’になります。)
だいたい、100mあたり1’40″で歩けます。

(6) 各距離にイメージを載せて、具体的なペース設定をします。
例①
入り400m58″0
400→600m地点30″0
400→700m地点46″0中だるみ考慮
ラスト150m8″0+切り替え14″5

例②ラスト300m46″0=31″0+15″0切る

(7) 各距離のテーマを決めます。
例①
400入りペースの確認
200リラックスした中間疾走
300終盤苦しくなった場面でのフォーム維持
150でラスト100mの切り替え

例②
500-700までイーブン、ラスト100の切り替えスパート練習

この様に、①レースのスタートからゴールまでを時系列で並べても良いですし、②強化したいラストスパートのみに焦点を絞って反復練習しても良いです。

それでは以下に、他の練習メニュー例を紹介します。
 
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400m対策

150m×6、総距離900m
設定400mレースペース
つなぎ250m歩き、または5’rest(移動含)
スタブロ使用でスタート→150m
100m→250m
150m→300m
250m→ゴール
どこでも、走って確認したい区間を選びます。
直線→コーナー、コーナー→直線のそれぞれの走り方、技術を考えることができます。
 
 

800m対策

400m×5〜6、総距離2000m〜2400m
設定800mレースペース
1本目のみ入りイメージS→400m
以降は中間疾走区間(イーブン)200→600m
ラストは切り替えてスパート400→800m
つなぎ400m歩きで6〜7’、または300m歩き約5’でも良いです。

 
 

1500m対策

600m×4〜5
設定1500mレースペース
①入り600m
中間疾走600m
(②300→900、③600→1200など)
④ラスト600m
つなぎ300m歩き約5′
①走り、300m戻れば②のスタートになります。また300m戻れば③のスタートに。300m戻れば④のスタートになります。

つなぎの歩き方も工夫次第でアレンジ可能です。
 
 

3000m、5000m対策

長距離種目は、イメージセット走でやらなくても通常のインターバルトレーニングで、レースをイメージしながら走れば良いと思います。

やるとすればこのようなメニューになります。

2000m+1000m+2000m
設定、5000mレースペース
つなぎ400m歩き約6〜7′
2000m序盤、入り1000mを速めに入り、中間疾走へ
1000m中間疾走、リズム良く
2000m終盤、中間疾走からスパート

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まとめ

インターバルとレペティションの間の位置付けになる練習方法を紹介しました。

追い込むことだけが練習ではありません。

フォームやペース感覚をしっかり意識して、序盤は少しゆとりがあるくらいのトレーニングでも、得られる効果は高いと思います。

終盤はきつくなってきますが序盤に良いイメージで走れていれば、そのままの良い感覚で最後までしっかりと走り切れると思います。

この練習は、【前半は、良いイメージや感覚をつかむこと、後半はそれを実戦的な負荷の中で再現すること。】そう言えます。

この次の段階で、より距離を延ばしたレペティションを行えば良いと思います。

そして、一番練習になるのがレースに出ることです。不安、緊張感、競り合いの中で、その時の自分の力をしっかりと出し切れることが大切です。

レースと練習の組み合わせ、バランスを上手く考えて、目標とする大きな大会に挑みましょう!

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レペティショントレーニングについて

レペティショントレーニング、通称レペとは?

インターバルトレーニングは、レースペース前後の設定タイムで、回復はjogつなぎで複数本走り、さらに数セット行う場合もあります。最初から全力ではなく、レースをイメージしながら効率的なスピードフォームを研究しながら反復する練習です。ラストを全力近くで走ることにより、効果的な有酸素運動〜ラストは無酸素運動を行います。

これに対して、レペティショントレーニングは、少ない本数(3本前後)を全力または全力近くで走り、完全休息を挟みます。休む時間は15〜20’が適当です。決まりはありません。しかし、あまり長く休み過ぎると身体が沈静化します。60’くらい休んで記録会形式で行う練習も良いですが、その際は、流しなど軽くアップをする必要があります。
 
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レペティショントレーニングの考え方

専門種目、出場する種目よりも、やや短い距離を速く走ることでスピード強化、溜まる乳酸に耐えながらスピードを維持する能力の向上を狙います。

例えば、1500m対策のレペティションは、1000m×2、設定は1500mレースペースより速く、間は20’です。

土日の大会で、1500mと800mを兼ねる場合がよくありますが、その時は両方の種目に効果が出るようにするために、短い方の種目を基準に考えると良いです。また、組み合わせも可能です。

例えば、1000m+600m+400m
設定は1000mは1500mレースペースより速く、600mは800mレースペースより速く、400mは全力です。間は15’〜20’です。

それでは、次に具体的な練習メニューの一例を紹介します。距離の組み合わせは自由です。決まりはありません。
 
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400m対策のレペ

300m×3本、設定全力、間15′

400m52″0の力なら、100m13″0ペースなので300m39″0平均です。目標は38″0あたりです。

最初は、集中して2本でも良いです。ペースを落として3本やるより全力2本の方が効果は高いと思います。
 
 

800m対策のレペ、スピード

400m×3本、設定男子400mベスト+2″0、女子400mベスト+3″0〜4″0、間15’〜20′

800mに必要なスピード持久力を強化します。800mの一周目は、400m50″0くらいの男子なら400mベスト+4″〜5″くらいが適当です。400m60″0の女子なら400mベスト+6″〜7″が目安です。400mが遅ければ割合的に一周目も遅くなります。

一周目の動きと筋力にゆとりが生まれて、後半もしっかり走れるようになります。

とてもキツイ練習です。集中して行ってください。週に1回やれば良い練習ですが、毎週やる必要はありません。他の距離も組み合わせると良いです。
 
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800m対策のレペ、スピード持久力、イメージ走

600m×2
設定
①800mの600通過タイム、スパートなし
②800mの200→800mの後半600mをイメージ、ラストスパート
間20′
 
 

800mと400m対策のレペ

600m+400m+300m
設定
600mは800mの600通過タイムでイメージして。
400mは全力手前、イーブン、スパートなし
300mは全力、スパートあり
間15′
 
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1500m対策のレペ、スピード

1000m+600m、設定、1000mTT、600mTT
間20’〜30′
1000mの絶対スピードを高め、1500m通過時のタイムのゆとりを大きくする。
 
 

1500m対策のレペ、スピード持久力、イメージ走

800m×3、設定1500mレースペース、間15′
①スタート→800mイメージ
②400m→1200mイメージ、イーブン
③700m→1500mイメージ、スパート
 
 

3000m対策のレペ

1000m×3、設定3000mレースペースより10″〜15″速く、間15′
特に初心者に有効な練習です。ペース感覚が未熟なのでインターバルのような細かいペース設定の練習をするより、全力近くで走る練習の方がやりやすいです。
 
 

5000m対策のレペ

3000m+1000m+2000m
設定
3000mは5000mの通過タイム、イメージ
1000mは3000mレースペースより速く、1500mレースペース近くまで上げて。
2000mは5000mレースペースで。ラスト2000mをイメージ、スパートあり
間15′

真ん中の1000mで一度スピードを上げることで、最後の2000mではスピードにゆとりを感じることができ、リラックスしたスピードフォームが身につきます。

一般的な組み合わせは3+2+1です。3+1+2は私が考えました。教え子には、このパターンでポイント練習をアドバイスしています。
 
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レペティションの休憩時間の過ごし方

ずっと座ったり寝転がった状態では身体は動きません。走り終えたら、そのままゆっくりjogまたは歩きで身体をほぐします。3〜5分程度で良いです。スパイクを脱いでリラックスします。休憩中は水分補給をしてください。アミノ酸の摂取は効果的です。費用はかかりますが、、。

次のスタート3分くらい前にスパイクを履き、軽く50m程流しを1本入れるか、ゆっくりjogでスタート地点まで移動します。
 
 

まとめ

レペティショントレーニングの組み合わせは自由です。決まりはありません。自分なりの明確な考えを持って、メニューをアレンジしてみてください。

個人的には、レースペースで設定するならレースのどこかの区間をイメージしながら走る、【イメージ走】がおすすめです。走りながらのイメージトレーニングになります!

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インターバルのつなぎの距離と時間の決め方

インターバルトレーニングとは?

インターバルトレーニングとは、レースペース前後で走るスピードの区間と、ジョギングでつなぐ区間を何本か繰り返すトレーニングです。または、それを数セット行う場合もあります。

3000mのレースペース以上のペースなら最大酸素摂取量の向上が期待できます。理由は、最大酸素摂取量ペースは11分間以上続かないという実験結果からです。

ちなみに、私の走れていた時で、最大酸素摂取量ペースは3’02″でした。距離だと3500mくらい走ることになります。

簡単に言うなら、3000m11’00の選手は3’40″が最大酸素摂取量ペースと考えることができます。あくまでも目安ですが。

正確に知るためには、設備の整った施設で測定する必要がありますが、そこまてしてその数値を知る必要もありません。目安で知っておけばよい程度です。

インターバルトレーニングでは、jogのつなぎ区間も高めの心拍数を維持することで、有酸素運動を長く続けることを目的のひとつとしています。疾走区間では心拍数は90%を超えます。つなぎの回復区間では、基本的に心拍数70%以上をキープするように考えています。

これは、決まりはありませんがつなぎでさらに低い心拍数まで落とせば、トレーニング自体は楽になります。レベルに応じてつなぎのスピードは調整可能です。

インターバルトレーニングで、心拍計をつけて心拍数を確認する必要はあまりありません。トラックでのインターバルトレーニングは、心拍数よりもレースペースを基準とした設定タイムを守ることが大切です。心拍数を確認しておくことは良いことです。

坂道などの野外でインターバルを行う際は、トラックでのインターバルで計測した心拍数を把握していれば、それと比較することが可能になります。同程度まで上がっているかどうか確認することができます。つなぎでどれだけ低い心拍数まで落ちているかも分かりす。練習の参考にしてください。

【参考】心拍数管理で練習ペースを決定する方法

 
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インターバルよりも速く、休みをしっかり取るレペティションは、初心者におすすめ

インターバルに対して、完全休養を挟んで全力近く〜全力で走るトレーニングがレペティションです。

初心者は、インターバルよりもレペティションの方が効果的です。理由は、初心者はレースペースが定まっていないこと(伸び盛りだから)、また、ペース感覚が未熟で設定通り走るのが難しいからです。
 
 

インターバルの決まりとは?

インターバルの疾走区間を走るスピードには決まりはありません。しかし、レースペースやその前後で行うのが一般的です。その場合、レースをイメージしながら走れるという利点があります。

また、レースペースを無視した練習でも構いません。工夫次第で様々な練習ができます。坂道を使い、登りで負荷をかけて、下りで回復する練習もあります。

逆に、緩い下り坂を疾走し、登りを戻りながら回復するパターンもあります。この場合は、疾走スピードの向上を狙うトレーニングになります。

坂道を使う場合は、走った距離を戻ることになります。ジョギングのスピードと疾走区間のスピードでトレーニング全体の負荷を調整することになります。

今回は、主に陸上競技場、トラックで行う場合のインターバルトレーニングについて説明します。
 
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疾走区間の距離とスピードの決め方

疾走区間(距離)の設定タイムをRunning Time=RTとします。つなぎのタイムは、1/2RT、1RT、2RT、3RTで考えると、実力に応じてつなぎのタイムを調整することができ、わかりやすいです。練習日誌にも書きやすいです。

例えば、200mの設定が30″0の場合は、RT=30″となります。

1/2RT=15″
1RT=30″
2RT=60″
3RT=90″
となります。

疾走区間(距離)の設定が200mで800mレースペースの場合は、つなぎは3〜2RTです。

疾走区間(距離)の設定が200mで1500mレースペースの場合は、つなぎは1〜2RTです。

設定ペースが遅くなればつなぎは速くする必要があります。つなぎが長過ぎると、心拍数を高いまま維持できないためです。

疾走区間が300m〜400mで、中距離レースペースの場合は、つなぎは1RTです。長距離レースペースなら1/2RTでよいです。

疾走区間の設定が、1000m〜2000mで長い距離のレースペースの場合は、つなぎは短めの1/2RTでよいでしょう。
 
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具体的なインターバルのトレーニングメニュー

【狙っているレース距離と記録から算出する方法】

800m2’00″切りを狙ったインターバル

200m×5本×2set
設定29″0〜28″5=RT(Running Time)
つなぎjog200m(3RT=約90″)
set間jog600m(9RT=4’30”)
または、5〜10’rest
レースペースより速いリズムを体得する。実力より速いスピードなのでつなぎは長めにして、しっかり走れるようにする。

200m×5本×2set
設定29″台=RT(Running Time)
つなぎjog200m(2RT=約60″)
set間10’rest
2set目の4、5本目はスパート練習
1setの総距離1000m
2setで2000m
狙うレースペースを反復してスピード感をつかむ。つなぎの時間を短くする。

1500m4’00″00を狙ったインターバル
300m×5本×2set
設定48″0レースペース(RT=48″)
つなぎjog100m(1RT=約50″)
set間jog700m(1RTと同じペースで→7RT=350″=5’50”)
または10’rest
2set目の4、5本目はスパート練習
1setの総距離を1500mにしている。
3setで3000m

200m×10
設定32″0レースペース(RT=32″)
つなぎjog100m(1RT)
ラスト2本スパート練習
総距離2000m

5000m16’00″(3’12ペース)を狙ったインターバル
1000m×5〜6
設定3’10〜12(RT)
つなぎjog200m(1/2RT=約1’35”)
または、jog400m(1RT=約3’10”)
ラスト1本はスパート練習

5000m16’00″を狙ったインターバル
2000m×3
設定6’20〜24(RT)
つなぎjog400m(1/2RT=約3’10)
または、jog800m(1RT=約6’20)
ラスト1本は後半スパート練習
 
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自分なりにインターバルをアレンジ

自分の専門種目に合った、自分の持ち味を伸ばせるインターバル、自分の苦手を補うインターバルの2通りを考えてみてください。

持久力強化なら長めでつなぎ短め、スピードを磨くならレースペースより速めでつなぎは長めになります。
 
 

まとめ

インターバルトレーニングは、中長距離種目にとって実戦的な練習になります。終盤を全力近くまでペースアップすることで最大酸素摂取量ペースを超え、溜まる乳酸に耐えながらスピードを上げるラストスパートを再現することもできます。効果的なトレーニングです。

しかし、インターバルを行う前にはしっかりとした身体の基礎ができていないとあまり意味がありません。定期的に継続できない、単発の練習では効果は薄いです。

建物で例えると、jogでの地盤•基礎づくり、ペース走での土台づくりが大切です。トレーニングで走る距離の大半は、このjogとペース走です。

インターバルは、柱に当たります。高い柱を建てて固定するには基礎と土台、地盤が絶対に必要です。

基礎があまり無い状態でインターバルをすると一時的に効果はありますが、長続きしません。付け焼き刃です。

週に1回はスピード練習を取り入れながら、ベース走を週に1、2回、他はjogをきちんとする必要があります。

トレーニング全体のバランスはとても大切です。“トレーニングの5原則の、全面性の原則です。

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睡眠と成長ホルモンによる回復効果


成長ホルモンとは?

成長ホルモンの成分はアミノ酸で構成されています。

成長ホルモンは、副交感神経が優位になる睡眠中に多く分泌されています。睡眠はレム睡眠とノンレム睡眠に分かれています。浅い眠りがレム睡眠、深い眠りがノンレム睡眠です。ノンレム睡眠の時に最も成長ホルモンが分泌されます。

眠りが浅い時は、閉じた瞼の上からでも眼球が動いているのがわかります。これを急速眼球運動と言います。
 
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レム睡眠とノンレム睡眠

この急速眼球運動 rapid eye movementの頭文字を取ってREM、レム睡眠と呼ばれています。眼球がよく動く時間帯、レム睡眠の時に夢を見ていると言われています。

レム睡眠中は浅い眠りですが、全身の筋肉は弛緩し身体はしっかり休息している状態です。

ノンレム睡眠では、脳を休ませています。
 
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睡眠の仕組みを知って陸上競技のレース間に応用する

陸上競技の大会で、1日に2本や3本走る時の間の過ごし方で、短時間の昼寝が良いとされているのは、このレム睡眠の効果です。脳は起きているけど身体は休まっているからです。15分くらいが適当です。

それ以上寝ると、ノンレム睡眠に入り、脳も休息してしまいます。そして副交感神経が最も優位になるので、身体は鎮静化します。運動のための準備とは逆の効果になってしまいます。

レム睡眠とノンレム睡眠のサイクルは、一般的には90分と言われています。90分の倍数の時間に起きると寝覚めが良いのは、眠りが浅くなったレム睡眠の時に起きるタイミングが合うからです。但し、最初の周期は2時間で、1時間後に眠りの深さがピークに達するノンレム睡眠で、30分後に最も浅いレム睡眠になります。

2時間+1.5時間の周期で目覚めが良いレム睡眠で起きることができます。

だから、2、3.5、5、6.5、8時間の睡眠が起きやすい時間です。

普段の睡眠の時に、この時間を意識すると良いでしょう。

 
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どれくらいのレース間隔があれば2時間寝れるか?

レース間に2時間寝れるのであれば、しっかり寝ることで疲れはかなり回復すると考えられます。レム睡眠とノンレム睡眠の1サイクルの睡眠です。

寝る時は、次のレースのことは考えないでください。レースを想像することで緊張感が増しますし、交感神経が活発になってしまいます。寝る時は、顔にタオルを掛けて暗くしたり好きな音楽を聴くなどしてリラックスしてください。

しかし、普通はおすすめしません。熟睡した後は、身体が起きるのに時間がかかると言われているからです。【何本も走ったレースの疲れがひどくてどうしようも無い場合には有効だと思います。】

それでは、レースを終えて、次のレースのアップ時間を考えてみます。私の考えではレース間隔が4時間40分以上あれば、2時間睡眠の回復は可能だと思います。

睡眠のサイクルを利用した、疲労回復優先で考えています。

ただし、起きて30分後にアップに行く計画なので、起きてすぐに動ける人と苦手な人がいると思います。休日に午前と午後に練習して、大会のシミュレーションをしてみてください。

熟睡したら身体が動かなくなるという選手もいます。そんなの関係ない!という選手もいます。自分で試してみてください。

私の陸上仲間で、レース間にとにかく寝る選手がいました。強かったです。1500m3’54″で走る選手です。


12:00レース終了
12:05プロテイン摂取
12:10〜12:30クーリングダウンjog15〜20′
12:30〜12:45ストレッチ
12:45〜食事

13:10〜15:10睡眠120分

15:10〜15:40太陽を浴びて、散歩や軽いストレッチで身体を起こす。集中してレースのイメージトレーニングをすることで交感神経を働かせる。
15:40〜ウォーミングアップ、jog10’、流し3〜5本
16:00招集開始、着替え、軽いストレッチ
アミノ酸摂取
16:20最終コール
16:40レーススタート

2時間寝て、起きてすぐに動きにくい人は、15分睡眠を何回かに分けて取るのも一つの方法だと思います。
 
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高いパフォーマンスを出すために、睡眠による身体鎮静化からどれくらいの時間必要か?

明確な根拠となるサイトや文献は見つけられませんでしたが、身体の機能が起きるのには3〜5時間という意見が多いようです。

ですので、レース間にたくさん寝すぎるのは、良いことではないと思います。しかし、先にも書きましたが疲労回復優先で寝ることは有効だという考えです。

前日の睡眠から、翌日のレーススタートを逆算して、5時間前に起床して、食事を3時間前に済ませるのが無難だと思います。
 
 

まとめ

毎日している睡眠ですが、意外と知らないことが多いものです。

レースの合間に15分の短時間睡眠を入れることで、疲労回復効果が高まります。

ポイントは、交感神経と副交感神経の切り替えです。これは、ウォーミングアップクーリングダウンストレッチにも共通していることです。

身体の仕組みを知ることで、練習の走りやレースの走りが変わります。練習やレースを支えているのは、日常生活での行動です。

今まで、顧問や先輩に言われてやってきたこと、意識せずにやってきたことにも意味があることが多いです。

意味が無いこと、効果が無いことはやめれば良いです。

意味があることは、その仕組みを理解することで納得できると思います。

陸上競技やランニングは、走るフォームや練習ペース、練習メニューだけが勉強すべきことではありません。

多角的に知識を深めると、ある時にいくつかの知識が結びつくことがあります。テレビ、雑誌、ネット、あらゆるところに情報はあります。自分の向上心、研究心、疑問がそれらの情報を結びつける大事な鍵になると思います。

問題意識を持って、生活、アスリート活動をしましょう!

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ビルドアップ走のペース設定方法と練習効果



ビルドアップ走は、陸上部で中長距離専門なら一度はやったことがある練習でしょう。

しかし、どれくらいの人が自分に適したペースの設定方法やトレーニングの効果を理解しているでしょうか?

ペースの設定には、絶対にこれだ!という決まりはありません。速め、遅め、レベルに応じて距離も加減すれば良いと思います。

それでは、私なりの解釈と考えでアドバイスをします。
 
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トレーニング効果

様々な速度域で走り、最後は全力または全力近くまで上げることで、有酸素運動→無酸素運動になります。様々なエネルギー供給系を使うことになり、バランス良く中長距離走に必要な要素を鍛えることができます。

イメージとしては、一般的に取り組まれているペース走より少し遅めからスタート→ペース走→ペース走より速く、長距離レースのペース(ハーフ→10km→5km→3km→全力)、こんな感じです。

ちなみに、フルマラソンのペースはペース走より少し遅めになると考えられます。
 
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長距離選手向けのビルドアップ走

普段やるようなベース走の設定タイムからスタートして最後は全力まで上げるものです。距離は10000m前後が適当なところでしょう。

ペース走より少し遅めからスタートしても良いです。距離を走りたい場合などに適しています。

ペース走のペース設定は、無酸素性作業閾値(AT)前後で設定するのが一般的です。最大心拍数の85%前後が目安です。

ペース走の設定ペースの考え方を詳しく見る。

以上から、ビルドアップ走の設定の方法は、最大心拍数の80%→85%→90%→95%→全力というように考えると良いでしょう。
 
 

ペース設定の基本、心拍数管理

練習ペースは、基本的には心拍数で決めます。回数で決めるのではなく、最大心拍数からの割合%です。スポーツ施設等で測定するのが一般的ですが、11分間走などで自分で測定することもできます。知識として知っておこましょう。

心拍数管理の方法を詳しく見る。

 
 

ペース設定一覧表

持久力レベル(5000m)のタイムによって、jogやインターバルの設定ペースを決めます。心拍数を計測したことがない人でもその範囲に入るようになっています。私が10年近く、陸上選手や市民ランナーを教えてきて確認したものです。

タイム設定一覧表

 
 

具体的なメニュー

例えば、ビルドアップ走の設定を心拍80%→85%→90%→95%→全力にする場合で考えてみます。

【5000m16’00″(3’12″ペース)の選手】
3’50①→3’45①→3’40③→3’35①→3’30①→3’25①→3’20①→全力①

丸内の数字は距離です。合計10km、10000mで考えてあります。AT=無酸素性作業閾値あたりの3’40を長めにとりました。ラスト4kmがキツイところです。ペース設定の距離配分は自由です。
 
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【5000m20’00(4’00″ペース)の選手】
4’50①→4’45①→4’40①→4’35①→4’30①→4’25①→4’20①→全力①

合計8km、8000mで考えました。女子を想定しています。タイムが遅い分、男子より距離を少し短めにするべきです。走る総時間は同じくらいになるように設定します。

タイム設定一覧表を参考にして、心拍80%からスタートして、1kmごとに5秒アップが覚えやすいと思います。5000mのレースペース+10〜20秒まで上がったら、その後はフリーで全力です。

 
 

5000m14’台、ハーフも狙う選手の場合

トータル距離は16km、16000mまで延ばします。先ほどと同じく心拍80%→85%→90%→95%→全力で設定します。

【5000m14’50″(2’58ペース)の選手の場合、10000m30’40(3’04ペース)くらい】

3’35②→3’30②→3’25②→AT3’20⑥→3’15②→3’10①→全力①

ATペースの3’20を長めにとり一定ペースで淡々とリズミカルに走ります。ちなみにハーフのペースは3’14前後が予想されます。ハーフ68’00″(3’13″8ペース)です。

ハーフマラソンはATを超えるペースになります。

フルマラソンはATを超えることはないと言われています。世界トップクラスでATに限りなく近く、男子より女子の方がAT近くで走ることができるそうです。但し、これはかなりハードなトレーニングを積んだトップアスリートの話です。一般的にはそこまで上げて走ることはできません。知識として参考程度に。

 
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まとめ

ビルドアップ走は、様々な要素を鍛えることができる効果的な練習です。しかし、毎日やれば良いという訳ではなく、週間や月間の練習計画に上手く散りばめると良いでしょう。

目標とする種目、距離によってビルドアップ走の距離設定とペース設定をアレンジすると良いです。

また、短時間で効果的なトレーニングをしなければならない多忙なアスリートにも有効です。走り始めをウォーミングアップとして、一度休憩しつつ体操、再スタートからペース走→ペースアップしてラスト全力近くまで上げたり。アレンジは自分次第、使える時間の範囲内で。

工夫次第では、レベルが違う選手同士が一緒に走ることもできます。途中から入ったり、途中でやめたり、練習前に相談してお互いに利用し合いましょう。

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クーリングダウンで血中乳酸濃度を早く下げたい理由



クーリングダウンが必要な事は他の記事で紹介していますし、アスリートならみんな知っていることです。

ウォーミングアップの記事も参考にしてください。

今回は、クーリングダウンについてもう少し詳しく紹介します。
 
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人間の体は弱酸性

ボディーソープのコマーシャルでよく耳にする言葉です。素肌に優しい弱酸性です。

短時間に大きなエネルギーを発生させると同時に乳酸も産生されます。この乳酸は酸性です。昔は乳酸=疲労物質というふうに言われていました。最近では乳酸はエネルギー源であるとも言われています。しかしながら私たちが速く走るときに乳酸をエネルギーとして使ってるかというとそうではありません。私たちの体では乳酸を分解して再びエネルギーとして使うことができるようになっています。そういった広い意味で乳酸=エネルギー源であると考えることもできます。

しかし、高強度のトレーニング直後またはレース直後に体の乳酸濃度は高くなっています。乳酸は筋肉の収縮を阻害して運動を妨げます。これは好ましいことではありません。少しでも早く高い乳酸濃度を下げて元の値に戻すことが、運動を再開するためには必要ですし、すばやい疲労回復にも必要となります。全力で走った後の体は酸性度が高まっていると言えます。
 
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体の酸性度が高い=ストレス

人間の体もある意味錆びてしまいます。酸性度を高い状態を保つこは人体にとって好ましくありません。ストレスと言えます。

人は、交感神経と副交感神経を切り替えている話を、ストレッチの方法で紹介しました。

人は、ストレスがかかっているときは交感神経が優位になります。ストレスに耐えているからです。逆に、ストレスがなくリラックスしている状態では副交感神経が優位に働きます。
 
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効率的な回復のためには成長ホルモンが必要

本題に入ります。血中乳酸濃度を早く下げると言う事は、体からストレスを早く取り除くと言うことです。血中乳酸濃度を早く下げることで、早く体がリラックスした状態になり、さらにクーリングダウンの軽い運動によって副交感神経が優位に働きます。この時に成長ホルモンの分泌が多くなります。
 
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成長ホルモンとは?

成長ホルモンは、アミノ酸で構成される物質です。

主な働きは、組織の成長促進と代謝コントロールです。子供の骨や筋肉の成長には欠かせません。また、大人でも脳の疲労回復、脂肪燃焼、病気の抵抗力、体組織の修復や再生等に関わっています。

成長ホルモンは、副交感神経が優位の時に多く分泌されますが、最も多いのは睡眠時間中です。
 
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まとめ

クーリングダウンは、その日の最後にだけ行うものではありません。例えば、陸上競技の大会では、1日に2本、3本走ることがあります。大会が2日や3日続きの場合は、1日何本か走るのを3日続けます。記録会でも、1日2本や3本走る場合があります。

大きな大会では、予選や準決勝レースの後に、決勝が控えていますので、余計な疲労状態から早く回復することが、次への準備につながります。

レース後に、何もしないで控え場所に戻って休むのと、きちんとダウンをしてから戻るのとでは、筋肉の余分な張りが違います。

クーリングダウンの適切な時間は?

レース直後30分以内、回復のゴールデンタイムにプロテインを摂取、クーリングダウンで血中乳酸濃度を早く下げ、交感神経と副交感神経の切り替えを行い、ストレッチとマッサージで副交感神経をさらに優位にして、軽い食事でエネルギーとミネラル類を補給、短時間の昼寝で成長ホルモン分泌促進して疲労回復、この流れを考えて行う必要があります。

次のレースまで時間があまり無い場合は、ダウンをきちんとして、アップは必要最小限で行えば良いです。その時も、落ち着かず歩き回るのでは無く、可能なら15分程度の短時間の昼寝を入れるようにしましょう。交感神経と副交感神経の切り替え、そして再び交感神経へ切り替える行動がダウンとアップです。

身体のしくみを知って、レース間の過ごし方で失敗しないようにしましょう。

疲労因子ファティーグファクター、乳酸、その他の疲労を測る物質について

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根拠の無い根性練習と根拠に基づく科学的トレーニングの違い。


根性練習と科学的トレーニング

根性練習とは、自分のレベルより高い設定で、たくさんの量をとにかく毎日休みなく行う事で実力がアップすると信じている練習方法で、そのような理論的ではない無謀な練習を行うことだと私は考えています。絶対にやりたくない練習です。

一方、科学的トレーニングとは、測定した客観的な数値や記録を元に、その人に合わせた練習内容や負荷の設定を適切にして、必要最小限の量を高い質で行うトレーニング方法だと私は考えています。当然、適切な休養日を設けます。

にわかに信じ難い事ですが、現在でも中学や高校で根性練習と思われる練習を生徒にさせている顧問やコーチが存在していることです。時々相談を受けます。

これはとても残念なことです。生徒は先生を選ぶことができません。私立高校ならまだしも、公立高校の場合は先生に転勤があり入学した学校に良くない先生が転勤してきたりする可能性もあります。

陸上競技の練習を、部活動で先生に言われることを全て信じて取り組む事は非常に危険です。基礎的な知識を自分でしっかりと勉強しておくことが自分自身の身を守る術です。

 
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科学的トレーニング理論を自分の練習に取り入れて、効率的に練習する。

今まで、人に言われたことだけをやって来た選手は、これをきっかけにして勉強を始めましょう!

トレーニングの5原則
心拍数と運動強度
全力で走る時間で異なるエネルギー供給系の違い
ポイント練習をする頻度(何日に一回という回数)
超回復の原理
可逆性の原理

まずはこのあたりを押さえておきましょう。
 
 

トレーニングの5原則

この5つを守ってトレーニングしないと効率的なレベルアップ走るできません。

継続性、個別性、自覚性、漸進性、全面性の原則です。詳しい説明はこちらの記事でします。
 
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心拍数と運動強度

中学生と高校生は、知識として知っておくと良いです。大学生や社会人は、心拍計を利用して練習することをお薦めします。

安静時の心拍数は40〜60回/分です。早歩きだと90〜100回/分くらい。ゆっくりjogすると110回くらい〜ペースアップして行くと120、130、140回と上がって行きます。

しかし、心拍数には個人差があります。同じペースで走っている誰かと同じ心拍数だからと言って同じレベルという訳ではありません。最大心拍数は個人ごと違います。最大心拍数からの割合で運動強度を測ります。最大心拍数200回の人Aと、220回の人Bがいたとします。ともに心拍数100回なら、Aは50%、Bは45.6%です。Bの方が少ない力で同じペースで運動をしているので、レバルが高いと判断できます。

詳しい測定方法や説明はこちらをご覧ください。
 
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全力で走る時間で異なるエネルギー供給系の違い

陸上の種目で説明すると100mと5000mでは使われるエネルギーが違います。また、得意な距離によって筋肉の質も異なります。速筋と遅筋です。先天的な遺伝によって、速筋と遅筋の割合は決まりますが、トレーニングによってもある程度の割合は変化するようです。

エネルギー供給系の詳しい説明は、こちらをご覧ください。
 
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ポイント練習をする頻度(何日に一回という回数)

ポイント練習とは、強度の高いトレーニングのことです。

では、毎日ポイント練習をすれぼ強くなりますか?

それは間違いです。高強度なトレーニングは運動によるダメージがあります。筋繊維は使うことで壊れます。それを修復することが大切です。

毎日ポイント練習を行うと、回復や筋繊維修復の時間が無く、疲労したまま次のポイント練習をすることになります。そうすると、パフォーマンスは落ちますし、余計に疲労します。これがオーバートレーニングです。

ポイント練習をする回数は、多くて週に3日、少なくて2日です。2日や3日連続で行うのでは無く、均等に間隔を開けて行います。理由は、次の項目で説明します。
 
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超回復の原理

高強度な運動により壊れた筋繊維が元の状態より強くなって回復することを、超回復と言います。

超回復に必要な時間は、48時間〜72時間です。2日〜3日です。これが、ポイント練習を週に2、3回行う理由です。

全力を出し切るようなハードなトレーニングだと、回復に3日。全力では無いけどかなりの高強度で本数や距離を多くした場合も同様です。そこまで出しきらなかったり、本数を少な目にした場合は2日です。

ゆっくりでもだらだらとかなり長い距離を走った場合も回復に時間がかかります。

筋肉痛が3日経っても治っていない場合は、やり方が良く無かったり、距離や本数が多すぎたと判断してください。また、睡眠時間が足りなかったり、充分な栄養を摂らなかった場合も回復しません。オーバートレーニングや休養、栄養面を考え直すべきです。
 
 

可逆性の原理

トレーニングをしなかったら元の状態に身体が戻ることです。ポイント練習の間隔を開けすぎたり、ポイント練習をせずにjogばかりしていても強くならないと言うことです。

毎日jogで長い距離を走る人は、大会で走る遅いと思いますが、jogを長くすることのレベルは上がります。

トレーニングはやったことに適応します。

例えば、ゆっくり長く走るLSDばかりやっているとLSDに対しては適応しますが、スピードは出しにくくなります。
 
 

科学的トレーニングのメリット

各トレーニングの理由が明確なので、目的意識をしっかり持てます。トレーニング5原則、自覚性の原則に合致します。

レベルに応じたペース設定が可能になります。段階的にステップアップすることが可能になります。漸進性の原則です。

様々なエネルギー供給系、速筋も遅筋も使う練習メニューです。全面性の原則です。

そして、その中で専門種目とするスピードやエネルギー供給系をメインにトレーニングします。個別性の原則です。

無理無くこなせる適度な質と量なので、やり過ぎによる怪我を防止できますし、無駄な時間をかけないので、その分アフターケアに気を配ることができます。体調を管理しながらトレーニングを行うので、継続的に効率的なトレーニングを積むことが出来ます。継続性の原則です。

すなわち、科学的トレーニングとは、トレーニングの5原則を全てクリアしたものと言えます。
 
 

根性練習のデメリット

自分に合わない練習量、設定ペースなので、効果が出にくいです。個別性の原則に反します。

量や時間が長いため疲れます。そして、疲れから回復する日程もありません。慢性的なオーバートレーニングに陥りやすく、常にどこかが痛く、満足なパフォーマンスをすることができません。だらだらと続けるので、こなすことに精一杯でステップアップしません。漸進性の原則に反します。怪我による中断も多くなるので継続性の原則にも反します。

痛みや疲れを、気合いだ!と一喝されて話は終わりです。指導者の押し付けトレーニングです。自ら取り組むトレーニングでは無く、やらされるトレーニングですので自覚性の原則に反します。

休養、回復練習、ストレッチ、マッサージという大切な要素が欠落しがちですので、全面性の原則に反します。

根性練習とは、トレーニングの5原則全てに反したものになりやすいです。

 
 

まとめ

学生の場合は、部活動に所属しないと大会に出れない仕組みになっています。だから、部活動の顧問が選手の運命を決めてしまうと言っても過言ではありません。すばらしい指導者に巡り会えるかどうかは運命です。私立の学校の場合は先生の転勤がほぼありませんのでこの先生に教わりたい!という学校に入学するという方法もあります。出しながら、そうできるのは一握りの選手であり、大半の選手は公立高校で顧問の先生が変わるなど流動的な状況で部活動をすることになります。

そんな時でも、自分自身の中に基礎的な陸上競技に対する知識や、そのために必要な運動生理学等の科学的根拠があればどんな先生が来ても自分で練習の意味を見出して設定ペースを調整するなど応用が効くと思います。

社会人であれば、実業団選手以外はコーチがいない状況で活動することが一般的です。関東等はランニング人口がとても多いため、ランニングクラブがありそれに所属すればプロのコーチの指導を定期的に受けることが可能です。しかしながら、それ以外の地域の戦士たちはプロコーチの指導を受ける機会は一切無いと考えられます。

自分自身で自分自身をコーチングする必要があります。

社会人ランナーは基本的に1人で練習することが多いです。がんばりすぎてしまう人は、自ら根性練習を課してしまうこともあります。とにかく毎日走る、とにかく毎日20km走る、絶対に休みを作らない、どんな時でも決めた練習メニューは絶対にこなすなど、がんばりすぎるゆえに根性練習になってしまっているパターンがあります。

学生も、社会人も共通して言える事は、練習日誌をしっかりとつける習慣を作ることが大切だということです。練習日誌は、これまでの自分自身が正しかったかどうかを判断する資料となります。

思いつきやフィーリングで練習をして、さらに練習日誌を書いていないと、調子が良い時や、悪い時が来てもなぜそうなったのか客観的に判断することができません。

科学的な根拠を勉強することが大切であると紹介しましたが、同様に練習日誌を書き続けることも大切です。簡単で地味な作業を地道に続けることが本当の根性なのかもしれません。

根性練習はダメだと言う結論なのですが、理論や根拠を知ることだけでは強くなる事はできません。頭でっかちではいけません。実行に移さないと意味がありません。

ここ1番の勝負所や、陸上人生の中でのがんばり時に、気合を入れて集中して取り組む姿勢が大事です。そして、何があってもやり通す強い気持ちが【根性】だと思います。

理論だけでは説明できない陸上競技論で説明しています。

根拠のない根性練習は反対ですが、強くなるために根性は絶対に必要です。

根性の使い時を間違えないようにしてがんばりましょう。