ファルトレク(スピード変化を極端に行い様々な効果を)


ファルトレクって何ですか?

ネットとかで見たことあるけど具体的に何をやって良いのかよくわかりません。
、、とよく聞かれます。

ファルトレクは、元はスゥェーデンの軍隊で行われていた隊員の体力養成訓練のひとつです。

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クロスカントリーの様な、自然の地形を利用して走り、木等の目印を利用してスピードの上げ下げを行ったり、教官が警笛を吹いたらダッシュ、再び吹いたらジョグ、のように自分の意思でなはく、第三者の合図によって一気にスピードを切り替える方法もあります。スピードプレイとも呼ばれています。

ここまでは、ネットや書籍で調べてもよく見られる文章ですね。

それでは、具体的な練習メニューとして私なりの解釈で、私がやっている内容を紹介します。

一人で練習する場合の単独ファルトレク

私はロードや河川敷の舗装路でやっています。
走る距離は最初に決めています。6〜10kmです。
基本となるペースはjogで、心拍60%〜70%の普段通りのjogです。
総距離10kmなら、1/3〜2/3をスピードアップして筋力と心肺機能に刺激を入れます。距離にして、3〜6kmは速いペースです。心拍75〜85%になります。

このスピードアップして走る3〜6kmを分割して、100m〜1000mで総距離10kmの中に散らします。

不規則に距離を散らす方法(思いつきで適当に!)と、規則的に散らす方法が考えられます。

不規則に距離を散らすメニュー例

思いつきで気ままに走る!

1km jog(累計距離)
100m上げ(1.1km)
300m jog(1.4km)
300m上げ(1.7km)
200m jog(1.9km)
200m上げ(2.1km)
500m jog(2.7km)
1km上げ(3.7km)
500m jog(4.2km)
500m上げ(4.7km)
500m jog(5.2km)
1km上げ(6.2km)
500m jog(6.7km)
200m上げ(6.9km)
100m jog(7.0km)
200m上げ(7.2km)
200m jog(7.4km)
500m上げ(7.9km)
500m jog(8.4km)
100m×5(jog100mつなぎ)(9.4km)
600m jog(10.0km)終了

上げる距離は適当です。上げるペースも適当です。最低限jogより速ければ効果があります。数回、かなりがんばったダッシュをしても良いでしょうし、快調走でも良いでしょう。5000mや1500mのレースペースを意識して走っても良いでしょう。

最初と最後だけは、アップとダウンでjogにします。止まらないで走り続けますので、短時間で練習が終わります。アップのjog1kmの後に、一旦止まって体操と軽いストレッチ、動的ストレッチをしてから再スタートでも問題ありません。

不規則適当バージョンの場合は、GPSウォッチがあると距離とペースが分かるので面白いと思います。無くてもできます。好みの問題です。

GPSウォッチについて。

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規則的に距離を散らすメニューの例

1km jog(累計距離)
100m×5(jog200mつなぎ)(2.5km)
200m上げ(2.7km)
200m jog(2.9km)
300m 上げ(3.2km)
300m jog(3.5km)
1km上げ(4.5km)
500m jog(5.0km)
1km上げ(6.0km)
500m jog(6.5km)
1km上げ(7.5km)
500m jog(8.0km)
100m×5(jog100mつなぎ)(9.0km)
1km jog(10km)終了

不規則メニューと同じ考え方です。
こちらは、距離を規則的に分散して、連続して走る軽めのインターバルといった感じにしています。個人的にはこちらが性格に合っており、こちらでやっています。
どちらにも共通して言えることが、練習が短時間で終わるということです。

ファルトレクは、特に寒い冬にオススメです。低温でスピードを出しにくい時も、ペースの上げ下げで身体がとても温まります。
ファルトレクの美味しい効果

普通のjogだと心拍数は一定か、後半ペースアップした分だけ少し上がります。淡々とリズム良く最後まで走る練習方法です。

ファルトレクは、ペースの上げ下げがあるので、スピードアップの時はjogでは使わない強めの筋力発揮が必要なので走りながらの筋トレになります。そして、心拍数も上がります。ここに意味があるのです。

スピードアップで上がった心拍数は、jogに移行してもしばらく高いまま維持されます。ここがミソです。筋力はjogで休めながら心肺機能を高めるために必要な心拍数は高い状態を維持できる、とても美味しいメニューです。jogに移行して心拍数は徐々に下がり、そのままjogを続ければ心拍60〜70%の通常の有酸素運動の領域に留まります。

しかし、心拍数が下がりきる前に再度スピードアップをすることで、心拍数は上昇し80%前後で走ることになります。がんばり度合いによっては85%を超えます。

この80〜85%が有酸素性作業閾値(AT)、乳酸性作業閾値(LT)と呼ばれる長距離走トレーニングにとって重要な領域になります。

長距離走はこのAT、LTを向上させることで速くなります。

最も効果的なAT向上のトレーニングは、AT域での20分走を2回、心拍70%のjog5′(1km前後)でつなぐトレーニングです。5000m14分後半レベルの選手で3分20秒ペースくらいになりますので、6000m×2になります。たいていの市民ランナーは20分に合わせると時間的に5000m×2になります。

これが、いわゆる『ペース走』というものです。私のホームページでは、距離が長めのペース走と区別するためにATペース走やAT走と呼んでいます。

ファルトレクはATを分散して走るイメージで、jogで休憩するので比較的ラクに高い心拍数を保てます。本格的な陸上競技のトレーニングを行う前段階に、準備として走っておく練習にぴったりです。
ファルトレクで速く走る区間のスピードをさらにアップした場合

ペースアップした時を5000mや1500mのレースペースまで上げてしっかり走れば、インターバルトレーニングの効果も生まれます。この場合は、ペースアップ状態からjogに移行しても、心拍数はしばらく上がり続け、1kmくらいの長めのペースアップをすれば90%を超えます。つなぎのjogの間も90%〜85%〜80%〜75%というように高めの心拍数を維持することになります。

 

グループで行うファルトレク(2人以上)

内容は単独で行うファルトレクと同じです。

複数で行う場合は、距離で役割を分担するのがわかりやすいでしょう。

例えば、5人で総距離10kmのファルトレクをやるとします。

1kmごとにリーダーを交代することにして、リーダーは与えられた1kmの区間で距離とペースを不規則に上げ下げします。他の人は、リーダーが上げ下げしたペース変化に即座に対応して一緒に走るようにします。これは、レベルの高い話では予選レースのゆさぶりや予想外のスパートに対応するトレーニングにもなります。

最初と最後の1kmをアップとダウンにして、仲間と順番を相談しながらアップをして、良かった点や反省点等を話ながらダウンをするのも楽しいでしょう!

また、複数で行う場合の注意点としては、実力の違うメンバーで一緒に走る場合は、実力が劣る人の総距離を短く設定すると一緒に走れるでしょう。その際は、野外で周回コースを設定して走れば、何周目に抜けて休憩して、次の周回で復帰する等の応用も効きます。

速い選手にとってはATレベルのファルトレクでも、遅い選手にとってはインターバルレベルのファルトレクになります。その時は、得られるトレーニング効果や走る距離が異なりますが、レベルが違う人たちが一緒に効率的なトレーニングができる仕掛けをつくることができます。これはコーチ目線ですが、部活動やクラブチームで、指導力のある人は提案してみんなでやってみてはいかがでしょうか?いつもと違った面白いトレーニングになると思います。

 

まとめ、ファルトレクが効果的な理由

長距離走のトレーニングで持久力を高めたい時は、いかに長く心拍数を高い状態で過ごすことが重要になってきます。

ファルトレクでは、スピードの上げ下げをすることで、心拍数が高い状態が細切れに分散する訳ですが、心拍数が高い状態の積算時間はスピードを出して走っている時間よりも長くなります。

繰り返しますが、スピードアップした後のつなぎのjogの時も心拍数が高めから徐々に落ちて行き、体はjogをしているけど、心臓はスピードアップの余韻で高いままだということです。

筋力を休めながら心肺機能に適度な刺激を入れることです。

普通のjogだけでは得られない筋力アップ、ペース変化への対応力、フォームの切り替えが自然に身につきます。

スピードをあまり出さない冬季練習や、シーズンイン前のスピード練習導入時期にも適しています。

機会があったらぜひ練習に取り入れてみてください!



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新しいウェアで気分一新するのも良いですね!ファルトレクは軽いウェアで走る方が走りやすいですよ!
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運動強度と練習日誌



練習メニューの予定を立ててますか?練習日誌を書いてますか?

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市民ランナーのみなさんは、だだ走った距離を書いている人も多いと思います。日誌をつけない人もいると思います。それは自由です。

私は練習日誌をつけています。この日誌が私を助けてくれます。過去の自分が未来の自分の最高のコーチになります。

 

練習の流れを目に見えるようにする方法

日誌の左端に運動強度を書く。
主観的なキツさを客観的な数値に置き換えます。

私のホームページの練習メニューでは9段階表示にしています。0〜⑧で表示してあります。

( )内のHRはハートレート、心拍数です。最大心拍数の割合で運動強度を設定しています。

⑧全力、レース、スプリントインターバル
⑦レペティション、インターバル
⑥(HR90%)ペース走ATより上、軽めのインターバル
⑤(HR85%)ペース走AT域
④(HR80%)ペース走ATより下
③(HR75%)速いjog
②(HR70%)基本的なjog、リズム良く気持ち良く
①(HR60〜65%)回復jog
0 (HR60%未満)心拍を度外視したゆっくりペース

ホームページの練習メニューを紹介、説明する時には、メニューのペース設定を説明しやすくするために、上の段階で表示しています。

練習日誌に書く時は、以下の5段階がシンプルで良いと思います。参考にしてください。

客観的な運動強度、心拍数(最大心拍数の割合)
5:85%以上
4:80〜85%
3:75〜80%
2:65〜75%
1:65〜60%

私は、主観と心拍数を一致させています。心拍計を着けない時も主観で書きます。慣れで、わかるようになってきます。

 

5段階の運動強度を曜日ごとに振り分けて練習の流れをつくる例

月4、ペース走+レペ
火5、インターバル
水1、回復jog
木2、基本jog、流し
金4、ペース走+インターバル
土5、レペ
日0、完全休養
こんな感じです。これを1ヶ月、2ヶ月と書くことができますの。出場する大会が決まっていれば、大会から逆算してメニューの流れ(運動強度) を振り分けていきます。

その後、具体的な練習メニューを書き込んだり、直前でアレンジすることもできます。

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心拍数の計測方法

中学、高校生は心拍計は持っていないと思いますので、時計で15秒見ながら指で脈拍を数えてください。私は首の頸動脈で確認します。

正確な最大心拍数は、実験施設で測定するか、心拍計をつけて3kmくらいの全力走で確認する方法が一般的です。走る場合はラストしっかりスパートして全力を出し切ることが必要なので、なかなか難しいです。

中高生の最大心拍数は、200〜205回くらいが予想されます。

15秒数えて30回なら、4倍して120回、約60%となります。

走り終わってすぐに数えなければなりません。心拍数は運動をやめた時から徐々に下がってきます。30秒や1分だと数えている内に心拍が下がってしまいます。

この方法は、あくまでも目安と確認程度です。しかし、心拍計を持たない人にとっては唯一心拍数を知る方法です。

毎回測ることで、持久力がついてくると同じペースで走った時の心拍数の低下が確認できます。そうなったら、練習ペースを少し上げる時です。

 

まとめ、必要最小限をいかに見極めるか

運動強度を意識することで、練習にメリハリがつきます。目的意識も明確になりますので、効果的な練習ができます。

ランニング時に心拍計を着けたことのない人は、試してみると新しい練習の切り口が見えてくると思います。

もし、心拍計を買うなら最高級の機種はやめて、無難なエントリーモデルが良いでしょう。心拍トレーニングが長続きしそうだなと思って、さらにエントリーモデルでは物足りないようであれば上の機種を購入すれば良いと思います。

ちなみに、私はエントリーモデルを使用しています。PC接続やスマホと連携してSNSにアップする機能は必要ないと考えているので、運動時の心拍数、最大心拍数の割合さえわかればそれで良いからです。

GPS機能付きの心拍計も安価になってきました。使ってみたいと思いながら、まだ買えずにいます。距離がわからないロードでは便利です。

ベストなランニングのメニューは個々に違います。無謀なハイペースや長い距離の走り込みをしても体調を崩したり故障したりするだけです。必要最小限の自分の目的にぴったりのトレーニングがあります。

ツールも目的に応じて必要最小限の機能で良いと思います。最終的には自分で使ってみて判断しないと良し悪しはわかりませんね。

polor心拍計

 

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元陸上部が練習を再開して、最初の一カ月にやるべきこと。


受験後の再スタート、病気や故障後の再スタート、引退して競技から遠ざかっていたけど気持ちを新たに再スタートしたいと考えている人は多いと思います。

走ることを再開する、その決意の大きさは人それぞれ違います。

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元陸上部ということであれば、落ちた持久力や筋力を戻していく練習になってきます。

初めの一か月はジョギングが基本になります。具体的なメニューは後で説明します。

練習の再開を思い立ったなら、ランニング練習とは別にすぐに毎日のストレッチを日課にしてください。就寝前に毎日実施してください。静的ストレッチを長めに痛気持ち良くやることで、副交感神経が働いて寝つきがスムーズになります。睡眠の最初が成長ホルモンが最も分泌される時です。柔軟性の確保と質の高い睡眠、疲労回復等の多くの効果が期待できます。

また、疲労からしっかり回復することが次のトレーニングをするために最も大切なことになりますので、三度の食事はしっかりとってください。また、運動直後30分以内と就寝前にプロテインやアミノ酸を摂取することで疲労回復が促進されます。

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第1週
主観的には気持ち良いペース、具体的には心拍60%〜65%のジョグを1日置きで週に3、4日ランニングをしましょう。時間で管理するなら30分程度で。距離なら5〜6kmになると思います。2日続けると筋肉痛から回復できないので、最初は無理せずに。ジョグの後に、軽めの流し100mくらいを3〜5本入れて筋力を戻しましょう。

第2週
心拍70%のジョグにペースアップ。主観的には気持ち良く走れるキツくない速めのジョギングです。1日置きで週に3、4日のランニング。時間なら40分程度、距離なら7、8kmになるでしょう。ジョグ後の流しを5本入れましょう。第1週よりも流しのスピードアップして走りのキレを出します。

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第3週、第4週
週に5日走ります。曜日を例にして紹介します。徐々に走るペースの幅を広げて速い動きを入れていきます。週に2日は計画的に休んで疲労回復に努めます。

月、休み

火、基本jog30’〜40′(気持ち良い速めのジョギングペースまたは心拍65〜70%)、流し100m×5

水、ビルドアップjog8km、流し100m×5
(気持ち良いペースから走り始めて、少しキツいくらいまで。または、心拍65%→80%)

木、休み

金、(火曜日と同じメニュー)

土、アップjog2km、流し×5、1km×3(5’rest)、ダウンjog1km
1km×3は心拍80〜85%で。ビルドアップのラストより速く走る程度で無理せずに。翌週からペース走(心拍80%)をするための準備です。

日、回復jog30’または6km(ゆっくりまたは心拍60%)
筋力を休めたいので流しはしません。

第5週
現在の5000mのタイムを予想してください。元陸上部員ならだいたいの見当はつくと思います。希望的予想で速すぎる予想をしないことです。速すぎるより少し遅い予想の方が、再開メニューとしては確実です。その予想タイムを元に練習タイムを設定します。

こちらのページから自分に合ったレベルを選択してください。

第5週からは、通常の基本メニューを基準にしてメニューを考えれば良いでしょう。基本メニューのペース設定は走力レベルに合わせてあるので、無理にペースを上げる必要はありません。筋力の戻り具合を自分で感じながら、欲張らずに距離を8割程度に短くしても良いでしょう。

もし、距離を8割程度に短くするなら、1週間か2週間はそのままで良いです。余力があるなら、流しのスピードを上げて動きのキレを出したり、インターバルやレペのラスト1、2本をページアップして、実戦的なスピード感覚と筋力を戻すことを意識しましょう。

以上が、大まかな流れと考え方です。

再開してすぐに気をつけること。

トレーニングを中断する前の自分と比べて、持久力や筋力が落ちていて別人の身体に思うでしょう。それでがっかりすると思います。

しかし、それはトレーニングを中断した人が全て感じることです。考え方によっては、トレーニングを中断する以前の自分は今よりも強かったということです。

無理をして、いきなり昔のペースで練習してはいけません。オーバートレーニングは怪我の原因になります。

今の自分のレベルを客観的に捉えて、レベルに合ったペースと距離でコツコツ練習を続けましょう。

まとめ、再開後の目標は個々に違う。

コツコツとトレーニングを継続すれば、年齢にもよりますが以前の自分を超えることができるでしょう!中学から高校、高校から大学なら必ずベストを出せます。出せない場合は何か原因があります。

大学卒業後の社会人アスリートも工夫次第で自己ベストを狙えます!

しかし、30歳以上の人にとっては、トレーニングの大きな中断はかなり厳しいものになります。焦らずに、今の自分を超えることを目標にして自分と向き合えるランニングを楽しみながら体力向上をしていけば、いつの間にか昔の自分に近づくことができるでしょう。

ただし、怪我には充分注意してください。若い頃より怪我しやすくなっていると思います。筋力低下、筋肉の柔軟性低下が大きな要因だと考えられます。
加齢による筋力低下と怪我の予防について詳しく見る。

無責任に、全員が昔の自分を超えられるとは言えません。そんな簡単なものではありません。

過去に完全燃焼するまで競技をやってきた人は若い頃の自分を超えられないでしょう。肉体は加齢により老化していきますのでそういうものです。30歳未満であれば加齢による影響はほとんどないはずです。身体が動かないのは、加齢のせいではなくトレーニングの中断により全ての身体能力が低下しているためです。

年齢を重ねたらその年齢でのランニング、陸上競技、その他トライアスロンやロードバイクなどの楽しみ方があります。陸上競技のマスターズやトライアスロンのエイジカテゴリー(年代別表彰)では同世代と競い合う楽しみがあります。

一方、若い頃に陸上競技を完全燃焼するほどの取り組み方をしていなければ、30歳を過ぎても自己最高のタイムを出すことは可能です!失礼な言い方かもしれませんが、、。

それぞれの環境で、再開後の目標は大きく異なりますが、大切なのは再開しようと思えたその気持ちです。自分と向き合って全力を出せることはなかなかありません。

後悔のないように今やれることを楽しみましょう!

数日間〜一週間程度のトレーニングの中断後の再開メニューはこちらです。
学生のテスト期間部活停止や社会人の出張、残業の時等
短期間のトレーニング中断後の再開方法を詳しく見る。

私のランニングバイブルです。10年以上前の本ですが、運動生理学の基本は普遍です。中長距離を深く追求したい方は読んでみてはいかがですか?
中長距離ランナーの科学的トレーニング

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体を絞るにはどうすれば良いですか?



腹筋

体の絞り方って?

どうやったら体を絞ることができますか?
と質問を受けることがあります。この質問には、2通りの解釈の仕方があります。

一つ目は、無駄な皮下脂肪を落としたいということ。

二つ目は、肥大した無駄な筋肉を細くしたいということです。

今回は、一つ目の無駄な皮下脂肪を落とす方法について考えてみましょう。

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陸上部員が無駄な皮下脂肪を落とす方法

中長距離選手なら比較的簡単に絞れます。というよりも、普通の中長距離選手なら太りません。日々のトレーニングが持久力主体ですし、エネルギー消費が大きいので。太るのはやるべき練習をやっていないと考えることができます。

もし、やるべき練習をやっていて太るなら、それは食べすぎです。過剰なエネルギー摂取により、消費カロリーを上回る摂取カロリーだということです。食生活を見直してください。

次に、短距離選手が皮下脂肪を落としたい場合について考えてみましょう。

まず、通常のトレーニングを継続してやり続けることです。やるべき日に練習をさぼったりするようでは論外です。運動量を最低限確保することが日常的なエネルギー消費につながります。やせたいからと言って、短距離選手が長いジョギングばかりやることは絶対におすすめしません。

冬季トレーニング期間なら距離走も基礎的な持久力向上に必要ですが、時間にすると30分以内に留めましょう。それ以上走れるようなら、時間を延ばすのではなくペースを速めましょう。

トラックシーズン中は距離を走るのは控えましょう。速い動作が鈍り、スプリントの能力が低下する可能性があります。

シーズン中は、ペースを抑えて本数を増やしたセット走をおすすめします。

 

セット走とは?

何セットか距離と本数を組んで、インターバルとレペティションの中間的なトレーニングにあたります。距離は100〜400mを組み合わせてください。

例えば、
100m×5本×3set
100mを歩きでつないで回復します。
レペティションのように完全休息はせずにゆっくり歩きながら回復できる限り回復します。

セット間は10分restです。
タイム設定の目安は400mレースペースです。400m50″0の人なら12″5です。最後の3set目をこのタイムで走るようにして、1set目13″5〜、2set目13″0〜徐々にタイムを上げて行くように設定すれば、最後までしっかり走り切れるでしょう。

だいたい2分に1本走る間隔になると思うので、1set約10分の連続運動です。つなぎの歩きを含めて。歩きと言えども100mを走った直後の歩きなので、動作は歩いていますが心拍数はジョギングしているレベルのままです。そして、またすぐに100mを疾走するので、身体的には常に心拍数が高い状態が続きます。これが狙いです。

瞬発力タイプの選手にとっては、スピード持久力養成のトレーニングになります。

私は、800m専門でマイルリレーもやっていましたので、スピード練習として定期的にやっていました。12″5を基準タイムとして、ラストのセットは11″後半でやっていました。その後にプラスαとして400mを54″前後で走って、練習を締めくくっていました。800mの入り400mをイメージして走っていました。

だらだらと40分ジョギングするより遥かに効果的にカロリーを消費しますし、実戦的な練習です。

 

走る以外にできること。

それでは、通常のトレーニング以外に必要なことを考えます。

第1は、日常的に行っている筋トレを継続すること。筋肉量が多いと基礎代謝と上がりますので、日常生活を送っているだけてエネルギー消費が多くなります。

もし、日常的に筋トレを行っていない場合は、計画的に筋力トレーニングを練習内容の一つに組み込むことです。

第2は、夜間のお菓子やカップラーメン等の不要な間食を控えることです。就寝3時間前は食べないことです。どうしても口さみしい時は、あったかい牛乳やお茶を飲んだり、スルメを食べてください。

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第3は、寝る前のストレッチを習慣にすることです。アップでやるような動的なものではなく、静的なストレッチです。痛気持ち良くなるまでしっかりと時間をかけて伸ばしてください。引き伸ばされた筋肉は破壊されて、寝ている間に修復され柔軟な強い筋肉に生まれ変わります。また、修復にもエネルギーが消費がされます。このストレッチをウォーミングアップでやるとパフォーマンスが一時的に低下しますので使い分けに注意してください。

ストレッチの正しい知識を詳しく見る。

 

まとめ、運動生理学を知り自分を知ることが大切

自分の専門的な能力、持ち味を殺さずに、専門種目にもプラスになる方法があるはずです。運動生理学について無知であれば、まず簡単な本から勉強してみてはいかがでしょうか。論文のような本では無く、なるべく図解付きの文字の大き目の本がおすすめです。基礎的な事項は変わりませんので。それで、興味が湧けばもう少し専門的な本で知識を深めれば良いのです。

最終的には、自分に合った方法は自分で考え出すのが一番です。

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フルマラソン時のエネルギー補給


自分のエネルギー容量を知ること。

フルマラソンのレース直前でタイムを短縮する方法があります。

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それは、エネルギー補給を考えることです。本来は何ヶ月も、何週間も前から考えておいて、練習や練習として臨むレースで試すことが理想です。しかし、直前でこの方法を知って、にわか仕込みの知識でもやらないよりは遥かにマシでしょう。

 

フルマラソン時にエネルギー補給すべきタイミング

結論から書きますが、エネルギージェル1袋180kcalを次の距離を目安に摂取します。
20km、25km、30km、35kmの4回です。トータル180kcal×4=720kcalです。

1袋あたり約4km走るエネルギーに相当します。1km45〜50kcalと考えます。様々な文献やインターネットの情報では1kmあたり自分の体重kcalの説もありますが、ポラールの心拍計では45〜50kcalで算出されます。何を信じるかは自分次第なので、自分なりの根拠を持つことも大切です。あくまでも考え方の一つとして、だいたいで良いのです。
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エネルギージェル

 

走るためのエネルギー貯蔵量

それでは、これから結論の理由を書きます。

走ることに使えるであろう、貯蔵されているエネルギーは約1500〜1600kcalだと考えられます。個人によって体格差があり、個々に異なるものですが、大体これくらいと考えておけば良いでしょう。女性なら100〜200kcal少なくなります。しかし、走る時の消費カロリーも身体が小さければ少なくなるので、これから紹介する考え方は男女同じで良いと思います。

ここでは皮下脂肪のエネルギーを考慮しません。理由は、フルマラソンでは脂肪をエネルギーに変換するには短時間すぎるからです。

雪山で遭難時等、数日かけて脂肪が分解されて生命維持のためのエネルギー源となることは有名ですが、それを走る時に使えるのか?というとほとんど使われていないと考えてよいでしょう。

フルマラソンで消費するエネルギーの内、脂肪がエネルギー源になるのは約3%だそうです。大半が肝臓と筋肉に貯蔵されているグリコーゲンです。

 

エネルギーの足し算と引き算

何もしなくても24時間で消費する基礎代謝が約1500〜1600kcalです。それと同じくらいのエネルギーが肝臓や筋肉内にあると考えてください。

レース前日の夕食を摂り体内のエネルギーは最大の状態になります。しかし、睡眠中にもカロリーを消費して起床時には体内のエネルギーは約1000kcalです。朝食を食べて1600kcalに戻ります。

アップで3km走り流しをすれば約150〜200kcal消費します。アップ後にエネルギーのゼリーを摂取して、体内のエネルギー量を戻します。

それでは、エネルギー摂取なしでフルマラソンを走ったらどうなるか考えてみます。
貯蔵エネルギーを多めの1600kcalと仮定します。
10km450〜500kcal消費、残り1100kcal
20km900〜1000kcal、残り600kcal
30km1350〜1500kcal、残り100〜250kcal→約2km〜5km分しか残っていません!!
32〜35kmでエネルギー切れ。
突然ガクッとペースが落ちます。
これが30kmとか35kmの壁と言われるものの正体です。

実際は壁では無く、エネルギー切れだと私は考えています。

エネルギーはあるけど使われない場合もあります。身体内のミネラルバランスが崩れると、エネルギー供給が困難になります。

発汗による水分損失を補わないことによるパフォーマンス低下も起こります。

脚筋力のダメージにより、脚が動かなくなる場合もあります。ジョギングばかりで距離を踏んでいる人に起こりやすく、レースペースより速い流しやインターバル、レペティションをやっておくことで、走るための脚筋力は強化されます。筋力不足が原因です。

このように30kmを過ぎてから、壁と言われる急激なペースダウンの原因はいつくかありますが、エネルギー補給をしっかりすることで原因の一つは防ぐことができます。

無補給で走ると、42kmまでには約10km分不足=500kcal足りません。1袋180kcalのエネルギージェル3袋で540kcalなので、余裕を見て4袋720kcalで考えました。

エネルギー切れを防ぐために、20km以降エネルギーを定期的に補充してエネルギー切れを防ぐのが私の考える作戦です。

エネルギージェルは単糖類なのですぐに吸収されます。すぐと言っても30分程かかると思われます。レベルにもよりますが、距離にして8〜5km先のエネルギーになります。

ですので、エネルギー切れになる前に計画的に摂取する必要があります。

以上が、私が提案するフルマラソンを短期間で考えて速くなる方法です!
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単糖類と多糖類

追加して知識の勉強です。先ほど単糖類という言葉を書きました。もう一つ、多糖類があります。これはお米やパン、麺等の炭水化物です。胃で分解されて単糖類になってから腸で吸収されます。だからエネルギーに変わるまで2時間〜2時間半くらい時間がかかります。

ここで、単糖類と多糖類のすごい組み合わせの食べ物を紹介します。

あんぱんです。
外のパンは多糖類。中のあんこは単糖類。

エネルギーになる速度が違うのです!
あんこがまずエネルギーとして使われ、その後パンがエネルギーになります。

だからと言ってレース30分前に食べるのはおすすめしません。3時間前には食事は済ませましょう。

もし、レース30分前にあんぱんを食べたらどうなるか。レーススタート時はあんこエネルギーが活躍します。しかし、レース中は交感神経が優位に働いているので、消化吸収の時に作用して欲しい副交感神経の働きが抑えられてしまいます。その結果、あんこはエネルギーになっても、パンが消化不良になってお腹が痛くなる可能性があります。これが、レース直前に固形物を食べた時の腹痛の正体です。

 

まとめ、根拠の無い気合や根性では速くなれない。根拠がある知識を身につけるだけで走りは変わる。

以上のように、走ることだけがタイムを短縮する方法ではありません。走るための知識をいかに正しく吸収して、自分の生活に当てはめるかも大切な要素になります。

このホームページでは、この走るための知識に重点を置いて紹介していきます。

勉強を継続することは、一時の根性を出すことよりも難しいことなのかもしれません。

根拠の無い気合いや根性ではパフォーマンス向上は望めません。

知識はとても大切です。

中長距離ランナーのエネルギー供給系の説明を詳しく見る

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大会前の調整練習って何ですか?



大会直前になって調整練習をアドバイスしてください!と質問を受けることがあります。

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できるなら、計画的に何週間も前から調整練習を考えておいて、その時期が来たら実行するだけにするべきです。本来は、大会に出ようと決めた時点で調整練習がついてくるものです。

私は最低4日、無難に7日、できるならば10日くらい調整期間が欲しいと考えています。

根本的な話をすると、継続的にトレーニングをして来た選手だけに調整練習が必要であって、練習をさぼったりほとんどやってない人は調整練習という概念は必要ありません。全く違う話になります。

後者の話は置いといて、今はトレーニングを積んだ選手の調整について書きます。

目標とする大会の種目、距離によってそれまでのトレーニングが変わって来ます。長距離走の練習として普遍的な基本jog(心拍70%)、回復jog(心拍60-65%)、ATペース走(心拍80-85%)は心拍数の割合で設定するものなので絶対に変わりませんし変えてはいけません。レベルアップ、ダウンした時にレベルに合わせて設定ペースは変えます。

普遍的な基礎トレーニングは変えませんが、大会の種目や距離に応じて、ポイント練習と呼ばれる高強度のトレーニング内容を変えて、専門性を高めていきます。
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具体的には、中距離種目である800mと1500mに出る時は、どちらかのレースペースをメインにポイント練習を組み立てます。私の考え方は、速いペースの種目=短い方の距離の練習をしておくことで、ひとつ上の長い距離に対応可能というものです。メリットはスピードと筋力にゆとりが生まれて、柔らかい走りができるようになり、その結果ランニングエコノミーが向上して(効率的にになる)タイム短縮の可能性が高くなると考えています。

スピードが速いトレーニングをすると距離が不足しますが、反復する本数を増やして回復力を高める目的も達成することができます。その結果、予選と決勝を二本走れる身体になります。1日に予選決勝の二本走れる800m選手は1500mも強いです。予選は速いけど決勝はバテバテの選手は1500mの適性無しです。400m-800mの方が向いているスピードタイプに多い傾向です。

次に、長距離種目の5000mと10000mですが、基本的に5000mを目標にしたペースでのインターバルをポイント練習にすれば良いと思います。ざっくり言うと5000m15’00(3’00ペース)の人は10000m31’00(3’06)くらいになります。5000mのペースを3〜4%落としたものが10000m目標ペースになります。ここでも、速い動きはゆとりあるフォームにつながります。距離を補うのはポイント練習ではなく、基礎的な基本jog(70%)とそのひとつ上の速い強化jog(心拍70-80%)で20km前後の走り込みを日常的に行うことで基礎的な持久力の向上を狙います。月450km〜600km走れるようになれば10000mは走れると思います。1日平均15〜20kmです。

次に、特殊な種目である3000m障害です。3000mSCと表記されるのはステープルチェイスの略で、障害物を越えて走る過酷なレースです。3000の間にハードル28回、水濠7回を越えなくてはなりません。
1500mを走れるスピード持久力、筋力と5000m以上を走れる持久力を兼ね備えた選手が強い種目です。

トレーニング内容は基本的には1500mと5000mの練習内容になりますが、技術練習として障害を越える動作を反復練習して安全に速く越える技術を身につける必要があります。通常のランニング動作には無い強烈な上下動による衝撃が身体に加わるのでそれを意識したトレーニングをしておく必要があります。これを大会前にちょこちょこっとハードルを跳ぶ練習だけやるようでは走れません。基礎的な筋力を強化しておく必要があるので、調整練習でハードルを跳ぶだけではダメです。調整練習ではハードルを跳ぶ動作の「確認」だけです。

以上のように、陸上競技中長距離と言えども種目によってポイント練習が変わります。これらを積み重ねて来た選手に調整練習が必要になります。

やっと本題に入ります。調整練習とは、それまで蓄積してきた疲労を取り除き、心身をレースに向けて最高の状態に整えることです。また、疲労を取り除くだけでなく、レース強度を短時間で行うことで筋力と耐乳酸能力を向上させます。

練習をしていない人は疲労もないので調整する必要がありません。練習していない人は大会前に余計な練習をしないことが疲労を溜めないことであり、それが調整と言えるかもしれません。

ポイント練習を入れるタイミング
大会の3日前または4日前です。理由は、超回復のサイクルです。超回復は約48〜72時間と言われており、日数では2〜3日です。大会前日に超回復している必要があります。

大会の前日
2通りあって、基本jogと流しで極軽めに仕上げる方法と、レースペースでレースの入りを意識して走る方法です。どちらが自分に適しているか試してみる必要があり、その時その時でどちらかを選択しても良いでしょう。

大会の2日前
完全休養日または回復jogで回復に努める。

大会の5または6日前
ポイント練習が4日前の場合は6日前に、ポイント練習が3日前の場合は5日前に、ATペースでのペース走を入れます。ATペース走はポイント練習ではなく最も大切な基礎練習です。シーズン中を通して定期的にやる必要があります。
ATペース走の後+インターバルで走りを整えます。目標とするレースペースで中距離なら200m×5または300m×5、長距離なら400m×5程度の距離で練習を引き締めます。

大会の一週間前は基本的なルーティーンの練習の流れで淡々とこなします。ここで慌てていつもやらないようなことを敢えてやる必要はありません。

これらのことを加味した調整メニューは、それぞれの走力レベルに合わせてメニュー検索できるようになっています。

こちらの
練習メニュー検索から自分のレベルに合ったメニューを探してください。

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ストレッチをするタイミングで意識的に強弱を使い分ける、交感神経と副交感神経


交感神経と副交感神経の働き

人間には交感神経と副交感神経があり、私たちが活発に活動している時は、交感神経が優位になっています。また、睡眠や休息している時は副交感神経が優位になります。






 

アップのストレッチは軽め、ダウンのストレッチはしっかり

こういった身体のしくみの一つをおさえておくことで、部活動や自分のトレーニングでその時にやるべきことがわかってきます。また、やらない方が良いこともわかります。

その一つにストレッチと体操があります。ウォーミングアップやクーリングダウン、部活動の最中などにお決まりで必ずやっていませんか?

結論は、アップの時にストレッチをやり過ぎると、身体のパフォーマンスが低下します!!ダウンの時にしっかりストレッチをすると心と身体は休息、回復モードに切り替わります。

それでは、その仕組みをなるべくわかりやすく説明します。

身体の外部や内部から強い刺激が加わると、副交感神経が優位に変化してきます。具体的には、しっかり伸ばすストレッチや強めのマッサージを受ける等です。痛いけど気持ちいい〜!レベルです。身体はだんだんだるくなってきて、眠くなってくることもあります。これが交感神経が優位に働いて身体を休めようとして、回復のためのホルモンを分泌しているから起こる現象です。

だから、アップの前に強いマッサージをしたり、アップの後にしっかり伸ばすストレッチをしない方が賢明です!これらは、ダウンの時と就寝前に行うべきです!

じゃあ、アップで何をすれば良いの?
答えは、軽いマッサージ、軽い静的ストレッチ、しっかりとした動的ストレッチです。これらを行うことで、鎮静化している心身が徐々に活性化してきます。

自分で軽く身体、脚等をさする、マッサージなら軽擦法(けいさつほう)と言って、グイグイと筋肉を押し込んだりもみほぐしたりしないで筋肉表面を手早くさすって刺激を与えることです。

陸上競技やロードレースのスタート前に、自分の身体や脚をパンパンと叩く風景を目にしませんか?あれは軽い刺激を身体に与えて、活動に必要な交感神経を刺激する効果があります。

 

寝る前のストレッチで副交感神経を優位にして睡眠導入

次に、就寝前のストレッチについて説明します。ラグビー五郎丸選手のルーティーンのように、寝る前のストレッチを生活の一部にしましょう!

私は、睡眠前の儀式として必ず強めのストレッチをしてから寝ています。

毎日寝る前にストレッチすることによって生活のリズム、睡眠前のリズム調整が行われます。活発に交感神経が働いていると眠気がきません。ここで強めのストレッチをすることで副交感神経を優位にして、眠〜くなってきます。そして、ストレッチが終わったら布団に入り寝ます。

このストレッチの前に、時間があればセルフマッサージも有効です。テニスボールを使って手軽に効果的なセルフケアができます。
テニスボールを使ったセルフマッサージを詳しく見る
 
 

回復力を高めるために、睡眠前にアミノ酸を摂取する

就寝前にプロテインやアミノ酸を摂ると、約30分で血中のアミノ酸濃度がピークになります。その頃に深い眠りについて成長ホルモンが多く分泌されている時間帯ならより効果的だと考えられます。

毎日飲むのが理想的ですが、費用もかかるので懐具合やお家の人ともよく相談してください。ポイント練習をした日だけ飲むとか、ピンポイントで考えて飲むと良いでしょう。

プロテイン
高強度トレーニングの直後に飲むのがおすすめです。運動直後30分以内が栄養補給のゴールデンタイムです。回復を早めます。アミノ酸スコアを見て高いものが良いですが、値段とも相談ですね。


アミノバイタル180袋入り
高強度の運動直後または就寝前にアミノ酸を摂取することで、就寝直後の成長ホルモンが最も多く分泌される時間帯に作用して回復を早めます。

 
 

寝る直前のスマホ、ブルーライトは睡眠の質を下げる可能性がある

布団に入ってからスマホやタブレットでSNSやネットサーフィンをしていまうと、ブルーライトや明かりによって視神経から強い刺激が入り、また交感神経が優位になってきます。以上の理由で、就寝前のスマホは短時間最小限にした方が良いです。
 
 

まとめ

部活動や個人のトレーニングの他に、日常生活で意識することが見えてきたと思います。

身体のパフォーマンスを向上させるためには、生活のリズムを整える必要があります。

自分の生活の中に、ストレッチする習慣を上手く取り入れましょう!また、部活動をがんばっている皆さんは、部活では教えてもらえてないなら、運動生理学の簡単な本を読んで見ると目からうろこの情報がたくさんあって、部活に必要な知識を学ぶことができます。走ったり、筋トレするだけがトレーニングではありません。知識も養いましょう。

運動生理学を勉強し直してみましょう!
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心拍計で運動強度を管理する。



陸上部のみなさん、市民ランナーのみなさん、どうやって運動強度を管理していますか?

陸上競技場でよく耳にする言葉を並べて見ます。

頑張り度合80%
7割の力で走る
ゆっくり走る
速く走る
もっと速く走る
ラクに走る
気持ち良く走る
息が上がらない程度に走る
息が苦しくなるまで走る

どれもこれもあいまいで不明確です。 自分一人で走るだけなら誰にも迷惑はかけませんし無駄な練習をしてもそれは自由です。でも、誰だって無駄な練習なんてしたくありませんよね?

そして、後輩や陸上仲間にアドバイスするなら、上のように、もっとがんばれば良いよ、とか7割の力で走れば良いよ、等というあいまいで不明確、主観的な表現ではNGです。

練習日誌をつけるとしても、
「今日はかなりがんばって走った。」というのは幼稚な書き方になります。

ではどうすれば良いのでしょうか?

手軽な運動強度を管理するツールは心拍計

私が考える正解は、心拍計を使うことです。
このホームページでアドバイスしている練習メニューの設定タイムは全て心拍数を基準に設定しています。計測しなくてもおおよそその範囲に入るように計算してアドバイスしています。

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400mトラック以外でも威力を発揮

心拍計を使うと、陸上競技場の外でも役立ちます。

距離が不明なロードのコースでも走っている時に、心拍数を見れば、トラックで走っているペースと比較して同等の負荷であることが分かります。

例えば、トラックで4分00秒ペースで心拍75%の持久力レベルの人ならば、ロードで距離不明、ペースもわからない場合に、心拍75%なら4分00秒あたりかなと判断できます。

また、起伏のあるコースで坂を登ってスピードが出ない時でも心拍75%なら、身体にかかっている負荷は4分00秒ペース相当であると判断できます。

心拍数は、自動車のエンジンで例えるとタコメーターのような感じです。人間は心臓がエンジンです。



心拍計の表示方法を設定する。

次に、心拍計の表示ですが、回数と%で表示することができます。メーカーやモデルにもよりますが、一番安いモデルだと回数表示だけのものが多いです。

私は、回数表示よりも、%表示をおすすめします。
%表示は、最大心拍数の何%かを表示してくれます。

運動強度は、この最大心拍数からの割合で設定するものです。具体的には、個人に合わせて走るペースを心拍数から算出します。

レースペース以上のレペティション、全力走、レースペースでレース距離を分割して行うインターバル等の時は、心拍数よりも実際のレースペースを基準にして練習のペースを設定するべきです。

その理由は、緻密な練習ペースの設定が必要なのは、AT=無酸素性作業閾値を超えるくらいまでだからです。

しかし、レースペース以上の練習時も、心拍数を計測しておくことで、レースペース以上でどれだけの心拍数で運動しているかを確認することができます。それが分かると、ビルドアップ走やjogでラストペースアップした時に、どれくらいの強度で運動しているかを知ることができます。

レベルごとの心拍数と練習ペース一覧表

自分の最大心拍数を知ることが第一の関門

最大心拍数を計測する方法の一つは、専門の施設でお金を払って計測するも方法があります。本当に興味がある方はやってみると良いでしょう。

手軽に測定するには、11分間の全力運動でラストペースアップで全力を出し切った時の心拍数です。これは一人ではなかなか難しい測定方法ですが、何人かでタイムトライアルするとか、3kmくらいの距離で駅伝などの大会があれば測定してみるとかなり正確な数値が出ます。実際に測定値で得た最大心拍数は最大かそれより何回か少ない数字ですので、トレーニングの強度管理の根拠として使用することができます。

最も簡易的な方法は、公式で計算です。当面の最大心拍数の設定は、220➖年齢で設定しておけば無難です。厳密に言うとズレがある人が多いですが、最初はそれで設定する以外の方法はありません。

ちなみに、私は31歳の時に最大心拍数197だったので、220-31=189の公式よりも高かったです。8回のズレなので4%程度の誤差になります。

トレーニングの強度は、高すぎるより少し低いくらいが安全なので、当面は公式でも問題ない思います。

参考までに、私はこれまで約900人の市民ランナーをコーチしてきましたが、最大心拍数の公式より低い最大心拍数だった人は私の経験ではほとんどいませんでした。だいたいの人は公式より少し高い最大心拍数でした。

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心拍計の客観的数値と主観的な体の調子の差

心拍が低くて、調子が良い時
心拍は高めだけど、調子が良い時
心拍が高めで、調子が悪い時
心拍が低めで、調子が悪い時

大きく分けるとこの4種類のうちのどれかになります。

心拍が低くて、調子が良い時
→絶好調

心拍は高めだけど、調子が良い時
→疲労があるけど良く身体が動く時

心拍が高めで、調子が悪い時
→風邪等で体調悪い時

心拍が低めで、調子が悪い時
→疲れがひどい時。筋疲労で体が動かないのでペースが上げれずに心拍が低い状態。

練習日誌に、ペースと心拍、主観的な感想を書いておくことで、その日の前後の体調の変化を知ることができます。

練習日誌は自己管理の原点を詳しく見る。

興味がある人は、まずはシンプルな必要最低限の機能のモデルから始めてみることをおすすめします。

客観的に自分自身を知ることがレベルアップの最も近道です!

他にも強くなるためには色々なアプローチがあります。

強くなるために必要なことリストを詳しく見る。

GPSウォッチの活用はするけど依存はしない。




GPSウォッチは、学生のみなさんはあまり使うことはないと思います。主に社会人、大人のためのランニング用品ですね。

知らない道を走る時に重宝するのがGPSウォッチです。私も持っていますが、10年前のモデルでかなり大きいです。機能的には故障もないので使っていますが、コンパクトで軽量なものも欲しいところです。

陸上競技場、トラックでの練習ではGPSウォッチは全く必要ありません。心拍計だけあれば持久力向上のトレーニングに必要な心拍数管理ができます。

ですので、私は現在二台持ちです。スマホとガラケーのようですが、、。
左手にGPSウォッチ、右手にポラールの心拍計でロード練習にでかけます。もう慣れてはいますが、心拍計付GPSウォッチがあればそれで済みます。

かつては陸上競技800mをやっていましたが、最近はトライアスロンです。スイムから着けられる海でも使用できるモデルは高額で、買うのに躊躇しています。

レース時の心拍数データはあれば分析したり、トレーニングの参考データにもなりますが、トライアスロンの大会ではバイクメーターのみ心拍計を使い、バイク中の心拍のみ管理して力の配分を考えています。ランは全力で走るのみです。

話がそれましたが、陸上競技や市民ランナーであれば、心拍計がメイン。GPSウォッチを時々装着して普段とは違うコースを探検しながらジョギングする用途で使うのもアリだと思います。心拍計に関する記事はこちら。


四六時中、GPSウォッチのペースの上がり下がりを気にしたり距離を気にして走る、GPSウォッチ依存は良くありません。体感のペース感覚が鈍り、レース時も周りの選手に流されやすくなるでしょう。または、レース中もGPSウォッチが気になり不必要に目をやることになりかねません。

GPSウォッチはとても便利なツールです。しかし、走るのは私たち生身の人間です。道具の特性を上手く活用して、道具に踊らされないように、芯の強いランナーになりたいものです。

日々の練習では、GPSウォッチでマイコースの距離と1kmごとの地点を確認しておき、普段はGPSウォッチなしで心拍計ウォッチでトレーニングすることをおすすめします。

そして、時々走りなれない新鮮なコースをGPSウォッチを着けて探検しながらジョギングを楽しみつつ、回復ジョグをする等の使い分けを考えてみてはいかがでしょうか?

ガーミンGPS機能あり、心拍計なし

ガーミンGPS機能あり、心拍計なし、お手軽価格

どれを買おうか悩みますが、必要最低限のGPS機能だけでも十分かもしれませんね。



練習日誌を見返して大会前の緊張を自信に変える。



大きな大会や狙った大会になればなるほど緊張するものです。
また、初出場の距離も不安だと思います。

そんな時はどうしますか?
手のひらに人という文字を、、。

人それぞれ方法があっても良いと思いますが、自分で自分を落ち着ける方法を持っておくことが大切だと思います。

最近ではラグビー五郎丸選手のルーティーン動作がメディアに頻繁に登場していますね!
野球のイチロー選手も独自のルーティーンがあることは有名です。

ランナーの私たちはどうしますか?

私のやっている方法を紹介します。

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練習日誌を読み返して、やってきた練習を自信に変える。

これまでの練習日誌を読み返して、
「これだけの練習をこれだけの長期間続けて来たんだ。雨の日、残業後の練習、昼休みのラン、これらは今からスタートラインに立つ、この大会のためにやって来たんだ。これだけ練習やって来たのだから、後は今の自分の全力を出し切ることだけを考えよう!」

こう考えるようにしています。

大会会場に来ると周りの選手みんなが自分より速そうに、強そうに見えます。

そんな時は、周りを見ずに自分自身を見つめるようにします。

大会は自分自身の発表会。

今までやって来たトレーニングの成果を出す時が来たのです。

全力を出せる機会はなかなかありません。

スタートラインに立てることに感謝して、今の自分の全力を出し切ることだけを考えるようにします。

以上が、私が行なっているメンタルコントロールです。最近は、スマホのメモ機能を活用して、クラウドに保存してる練習日誌を手軽に見れます。

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ウォーミングアップはいつも通りに!

動作的なルーティーンとしては、いつも通りの動的ストレッチ、いつも通りのウォーミングアップを行います。

いつもよりペースを速めたり、アップの距離を伸ばしたりはしません。だからこそ、日常の練習時のアップは大会、試合を意識して緊張感を持つように心がけます。

もっと計画的に、適度な緊張を自分の力に変えるためには?

先に紹介した方法は、大会直前に自分を落ち着けて自信を持つための方法です。

そうなる前に、日頃からやっておくと非常に効果的な方法があります。

インターバルやレペティションの練習中に、レースのある区間、部分を当てはめて、イメージをしながら走る方法です。
走るイメージトレーニング(大会で過度に緊張して自分の力を出せない人へのアドバイス)を詳しく見る。

みなさんも、色々試しながら自分のルーティーンを確立してください。



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My練習コースをつくる。



ランナーのみなさん、自宅からすぐに走れるようなMy練習コースがありますか?




陸上部員なら、シーズン中は陸上競技場で練習することが主になると思います。

陸上部員のオフトレーニングや、市民ランナーの主な練習場所として、自宅近くにMy練習コースをつくることをお薦めします。

まずは距離を測ってタイムがわかるようにしましょう。

時にはペースを気にせず気ままに走ることも良い場合がありますが、基本的にはタイムを測って、自分の体調を確認したりペース感覚を磨くことが大切です。

距離の測り方をいくつか紹介します。



 

1 車で計測

多少の誤差はありますが、車道なら車で走り、1km、2km、、、と目印になる物を見つけましょう。

 

2 自転車のメーター

サイクルメーターを活用します。ロードバイク用の物で、エントリーモデルが必要最小限の機能で3000円前後で入手できます。ママチャリにも取り付け可能ですので、公園内や歩道など色々なコースの計測ができるので、一番のオススメです。無線タイプと有線タイプがあります。

 
有線タイプ自転車メーター

無線タイプ自転車メーター

3 GPS付腕時計の活用

多少費用はかさみますが、最近ではGPS付の腕時計が1万円代から手に入るようになりました。最近では誤差も数メートルまで減り、精度も高いので練習に使えると思います。但し、アーケード等の軒下やトンネルでは計測できません。

 
ガーミン最高級モデル心拍計&GPS機能

ガーミンお手軽モデルGPS計測のみ

3 地図アプリで計測

最近では地図アプリを使用して距離を測ることも容易になりました。私は走った後に距離を確認したり、走るコースを決めてあらかじめ計測して大体の距離ポイントを覚えておいて走ったり、その時に応じて使っています。ペース感覚が身についてくると、距離がわからない道を走っても、ペースとタイムで距離が大体わかるようになります。それでも、体調によってペースが上がったりさがったりするので、正確さには欠けます。

マイコースをいつくか作って、スピード練習ができる周回コース、気分転換に景色が良いコース、悪天候時でも濡れないトンネル等、自分の住んでいる環境を100%活かしたコースを考えてみてください。

それも楽しめるようになれば、さらに強くなれると思いますよ。

 

 






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ふくらはぎと前ももが疲れやすい人へ、骨盤の前傾がよくわからない人へ


その症状の人はフォーム改善でレベルアップします!

骨盤の前傾
胸を張る。
接地を真下にする。
接地時のスネは垂直になるように。
ストライドを伸ばし過ぎない。
膝下を前に伸ばし過ぎない。
腕振りを前に出し過ぎない(体の横で肘を止める)
肘は常に身体の後ろ〜横あたりまで。
腕振りは身体の後ろ側で振るイメージ
肘から先は肘について動くイメージ
手先が先行した腕振りをしない。

これらの動作ができるようになれば、ハムストリング(裏もも)をこれまでより使えるようになります。

ハムストリングはアクセルの役目です。
対して、前ももはブレーキ、体を支える役目です。
 
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骨盤の前傾がよくわからない人へ

へそとみぞおちを一緒に前に出すイメージです。そうすると、自然と前に重心が移り、カカトが浮いて前に進みたくなります。

そこから、横から見た体の軸全体を少し前に倒して進みます。

へそだけ前に出すと姿勢が後傾します。
上半身だけ倒すとくの字になって腰抜けになります。
真っ直ぐな軸をそのまま倒すことが大事です。

小学生の頃、掃除の時間にほうきを手のひらに立てて、バランスをとりながら倒れないようにした遊びを思い出してください。

斜めに倒れそうなほうきを手で支えながら、ほうきが斜めの状態で走ったことはありませんか?

そんな感じです!
身体の斜め(前傾)をキープします。
(そんな遊びをしたことが無いという方は、ここは流し読みしてください。)

横から見た時の身体の軸は真っ直ぐ保ったまま、垂直に立っている軸を進行方向に倒してください。

倒れそうになって、どとらかの脚がでます。反射的に。

その連続で前に走り出すイメージです!

くの字、腰抜けにならないよう注意です!
 
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骨盤の前傾を保つことで得られる効果(改善される動作)

ピッチを上げやすくなる。
前方の接地→身体の真下で接地しやすくなる。
腰の疲労軽減
ハムストリングが使いやすくなる。
ふくらはぎや前ももに偏っていた疲労が裏側(ハムストリング、臀部)にも分散される。
必要以上に大きかった腕振りがコンパクトになる。
長い距離が走れるようになる。

この意識で、自分に合ったフォームを探しながら練習を続けることで効率的な動作になって来ると思います。
 
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まとめ

体型は様々でフォームも人それぞれです。
しかし、速い人は共通した【何か】があります。

身近に速い人がいれば、その人の動きやリズム感を見て感じてください。

また、フォームの動作を言葉で現すことは非常に難しいです。私が書いた言葉や文字の組み合わせで、何かきっかけをつかめる人もいるでしょうし、さっぱりわからない人もいるかもしれません。

感覚的な問題があります。

自分なりの解釈で、自分なりの言葉で練習日誌にその日のフォームの意識をメモしておくことも、後々役立ちます。

練習日誌は自己管理の原点を詳しく見る。

雑誌等で流行ってるからと言って、【フォアフットの形だけ】を真似た走りをするのはやめた方が良いです。ふくらはぎ、アキレス腱を痛める原因になると思います。実際にそれでケガした人の話を何人も聞いています。

様々なフォームの考え方がありますので、自分の体型や年齢、持ち味に合ったフォームを考えてみてください。

三大フォームと接地ついて

フォームで筋肉を意識するか骨を意識するか?

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脚が流れている人の原因と改善方法



脚が流れるのにはいくつか原因があります。考えられるものをいくつか改善方法も含めて紹介します。

①筋力不足
②骨盤の後傾、棒立ち
③接地時に強く蹴る動作
④大き過ぎるストライド
⑤大き過ぎる腕振り

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①ハムストリング、臀部の筋力不足

走り始めたばかりの人に見られる症状です。根本的なランニングフォーム自体をわかっていないので、蹴る動作ばかりに気を取られている人がなりやすいです。

速く走ろうとするあまり、大き過ぎるストライドで走ることで脚が流れます。

ピッチを速める意識をすると良いでしょう。また、走るための筋力がついてくれば改善されると考えられます。

プライオメトリックのトレーニングを少し取り入れることをおすすめします!
プライオメトリック(瞬発的筋力発揮)について詳しく見る。

脚の速いターンオーバーには骨盤の前傾も必要です。背筋を伸ばした正しい姿勢も身につける必要があります。具体的な理由は後の項目で説明します。

②骨盤の後傾または上体の棒立ち。

日本人は、海外の人種に比べると骨盤が後傾していると言われます。

特にランニング初心者は、骨盤と言われてもピンと来ない人が多いです。日常生活ではあまり意識しない部位かもしれません。

腰という漢字は、月に要と書きます。月は人間の体を指しており、体の要だということです。そして、ランニングの要でもあります。

骨盤とは腰の骨で一番大きなものです。左右の腸骨から成り、お尻の一番下には仙骨という骨があります。仙骨から上は腰の腰椎5個、背中の胸椎12個、そして首の頚椎7個の計24個(→通称背骨)とつながっています。

骨盤が後傾または真っ直ぐ立っていると、重心位置が進行方向に対して後ろに位置します。横から見ると、腰抜けの状態や猫背に見えます。反り返るような人もいます。これらが後傾です。

後傾だと、重心移動で推進力を得る事ができません。また、ハムストリングと臀部を効率的に使えません。その結果、前ももとふくらはぎに頼る走り方になりやすいです。ふくらはぎに頼る走り方は、地面を蹴ることになります。アキレス腱に負担がかかりやすいです。つま先まで地面を蹴る動作になるので、足首が過度に伸展します。そうなると脚が流れます。

改善するためには、骨盤を前傾させることです。骨盤の前傾で腰椎胸椎頚椎も連動して、背中に適度なアーチができます。胸が張れるので猫背じゃなくなります。そうすることで、肩甲骨の可動域が広がります。その結果、腕振りもスムーズになります。

また、骨盤を前傾させることで腸腰筋の【伸張反射】が起きやすくなります。伸張反射とは、筋肉が引き伸ばされた時にその反射で収縮するものです。接地後に地面を押して、離地後に素早く膝を前に出す動作につながります。

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③接地時に強く地面を蹴らない。

接地時に、強く長く地面を蹴ると足首が伸展し過ぎてしまい、その結果脚が流れます。ストライドをかせごうとする人が陥りやすい走り方です。

ふくらはぎをメインに使うとこうなります。身体の末端に近い筋肉は小さい筋群なので、一時的な素早い動作には適していますが、連続した強い動作をすると疲れやすいです。

走るとふくらはぎがすぐ疲れる人や、攣りやすい人はこの走り方になっている可能性が高いです。アキレス腱を痛めやすい走り方だと思います。
アキレス腱の痛み

改善方法は、接地の意識を変えることです。強く蹴り込むのではなく、地面の良い位置に足を置くイメージです。地面を蹴るのではなく、地面からの反発力を足首の角度を変えずにブロックして跳ね返すイメージです。その結果、足首は適度に伸展すると思います。足を置く良い位置とは、重心の真下のことです。

④大き過ぎるストライドで走っている。

自分の最大ストライドよりも縮めてコンパクトに走るイメージです。
感覚的な例えですが、
400mでは10%、800mでは15%、1500mでは20%、長距離では25%〜縮めます。

ストライドを欲張って足を遠く前に振り出すと、重心より前に接地することになります。そうなると、つま先接地だろうが、踵接地だろうが、ブレーキ要素にしかなりません。

その結果、接地時間が長くなって足が地面からなかなか離れません。重心より前に接地した事で、地面からもらう反発力はブレーキとなって自分の筋力で支える事で打ち消してしまいます。だから、離地の時はふくらはぎとアキレス腱で蹴り込むことになります。そうしないと前に進みません。その結果、脚が流れてターンオーバーも遅れて、それを取り戻すためにまたストライドを伸ばそうとしてしまいます。悪循環です。

改善方法は、ストライドを少し狭くして重心の真下に足を置くイメージです。スネの骨が垂直に立つように意識してください。そして、地面を蹴るのではなく、地面からの反発力を足首の角度を変えずにブロックして跳ね返すイメージです。

⑤大き過ぎる腕振り

後ろに大きく振るのは問題無いのですが、前に大きく振るのは無駄な動作です。

肘に着目してください。

腕振りは、肘の角度が90度前後で動作リズムに同調して自然に開閉するのがベストだと考えています。

この肘が、腕振りが最大に前に出た時がどこまで出ていますか?

前後に大き過ぎる腕振りは、前に出た最大の時に肘が身体を越えて胸の前まで振り切っているものです。ここまで振ると力強いフォームに見えるのですが、脚が流れてしまいます。

腕と脚は連動しています。

肘と膝が同調しています。

足(シューズの部分)と手のひらは同調します。

太もも(ハムストリング)と前腕(力こぶ)は同調します。

腕を前に大きく振ると、同側の脚が後ろに大きく流れます。

肘を後ろに引くと、同側の膝が前に出ます。

イメージできましたか?実際に走りながら極端に動作してみて確認してください。

以上の話を踏まえて、私が考える正解は、【肘は身体を越えてはいけない】です。

腕振りで前に振る時に、肘を前に出さずにブロックすると、その瞬間に同側の足が接地していますので、グッと足首がブロックされます。その時に地面からの反発力をもらって推進力に変えます。重心の真下に接地していることが前提です。

同時に、反対の肘を大きく後ろに引くとこで、反射動作で反対脚の膝が前に出ます。

この時に、骨盤の前傾をしっかり意識できていれば、腸腰筋の伸張反射によってスムーズに膝が前に送り出されます。

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まとめ

5つの原因とその対策を紹介しましたが、1つ悪いところがあると関連して良くない動作がつながってしまいます。負のスパイラルです。

もし、自分のランニングフォームが脚が流れているのなら、自分に一番当てはまるものを改善するように努力すれば良いと思います。

ポイントは、骨盤の前傾と接地の位置、地面を蹴らないことです。そして腕振りは前に肘を出さないことです。

①〜⑤で意識するポイントは違いますが、目指すフォームは同じです。例えば、富士山の山頂を目指しているけど、どの道から登るか違うだけです。山頂に近づけばそれぞれの動作の関連が深くなってきます。

最初は1つの意識で練習を始めても、2つ、3つ、4つと最終的には全てを同時にやらなくてはいけません。

中長距離選手なら、100mを何本も反復するトレーニングでスピードと持久力の両方を鍛えつつ、技術を反復するトレーニング方法があります。
この練習の時に、一本一本意識するテーマを明確に決めて取り組んでください。その時は、タイムよりもフォームに重点をおいて取り組んでみてください。実戦的な動作を反復することで脳と身体に覚えさせてください。
100mを反復するスピード強化のトレーニングを詳しく見る

最近は、スマホで手軽に動画チェックできるようになりました。仲間に何本か撮ってもらって、自分の意識の仕方を色々と変えてみて、一番しっくり来るものを探してみてください。

私の言葉と私の感覚で文章にしましたが、人が違えば例え方や感覚が異なります。自分なりに解釈して、自分が納得できる言葉で技術を整理して言葉にしてみてください。

それを練習日誌に書き留めておくと良いでしょう。感覚が悪い時や悩んだ時に、次のヒントを与えてくれるかもしれません。
練習日誌は自己管理の原点を詳しく見る

ランニングフォームには個性が出ます。誰かの真似をしようと思っても体型や得意分野が違います。自分にはどんな走り方が合っているのかを考えてみてください。
三大フォームの説明を詳しく見る

それから、フォームを修正する切り口はどこにでもあります。例えばアゴの意識ひとつで腕振りも変わります。
ランニングフォーム、顎を意識するを詳しく見る。

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走る体力要素の説明







体力の話の時に、最後に書いた項目です。
体力を要素に分解する。を詳しく見る。

  1. 瞬発力
  2. 無機的解糖系(乳酸処理能力)
  3. 最大酸素摂取量
  4. 無酸素性作業閾値
  5. 有気的解糖系(基礎的持久力)

今回はこれらを説明します。

瞬発力

非常に短い時間内に大きな力を発揮する能力です。

筋肉内に貯蔵されているクレアチンリン酸がエネルギー源になります。市販のサプリメントの名前で聞き覚えがある人も多いのではないでしょうか。

クレアチンリン酸は短時間の全力運動で10秒程度で使い切ってしまうと言われています。休憩すると一定の時間で回復します。

短距離の100m走りはまさにこの能力で走ることになります。

 

無機的解糖系(乳酸処理能力)

乳酸に耐える能力とも言えます。筋肉内の糖の一種であるグリコーゲンがエネルギー源となり、全力運動で約40秒の運動が可能です。グリコーゲンは酸素を必要とせずにエネルギーを発生させますので無酸素運動になります。しかし長く続けることができません。

エネルギー発生とともに疲労物質である乳酸も発生します。乳酸が筋肉内に溜まると筋収縮がしにくくなり、走るスピードは落ちます。

陸上競技400mはこの能力と瞬発力を兼ね備えている選手が有利です。

800m専門の選手は乳酸に耐える能力が高く、ある程度の瞬発力もあり持久力も比較的得意です。800mは約60%が無酸素運動になります。

1500mでも約40%は無酸素運動になります。

 

最大酸素摂取量

体重1kgあたりに取り込むことができる酸素の量です。酸素を多く取り込むことができ、体重が軽く、体脂肪率が低い人ほど高い数値になります。この数値が高いほど長距離走が速いと判断できます。

最大酸素摂取量のペースは約10分しか続けることができないと言われています。

10分間の全力走をして、走った距離でおおよそのペースがわかります。

3.5km2’51”

3.4km2’56”

3.3km3’01”

3.2km3’07”

3.1km3’13”

3.0km3’20”

2.9km3’26”

2.8km3’34”

2.7km3’44”

2.6km3’50”

2.5km4’00”

2.4km4’10”

このペースでインターバル走を何本か行うことが最大酸素摂取量を高めるための練習になります。

しかしながら、インターバル走の設定は、レースペースを基準にして反復する方法もあります。3000mや5000mのレースペースを分割して反復することで、ペース感覚やリズム感を身につける効果もあります。

 

無酸素性作業閾値

もう少し言葉を加えると、無酸素性エネルギー代謝作業閾値となります。

無酸素運動と有酸素運動の境目(閾値:いきち)です。

ATと呼ばれアネロビックスレショールドの略です。血液中の乳酸濃度で測定したものをLTで、ラクティックスレショールドの略です。AT=LTと考えて良いと思います。文献によっては、さらに上にもう一つ閾値があるとされていますが、このホームページではそれは使いません。そこは速度域が速いのでレースペース相当になるため、レースペースを基準にしペース設定をするため考えません。

ゆっくり走り始めて徐々にスピードアップして行った時にATを超えると急に乳酸が溜まり始めます。それまでは、呼吸によって取り込んだ酸素で乳酸を分解することができています。AT以上では、乳酸の分解が追いつかなくなり速くなればなるほど乳酸が発生します。運動をやめるかスピードを緩めない限り乳酸は減りません。

AT基準で考えると、ハーフマラソンはATと同じくらいか少し速いペース、フルマラソンはATより遅いペースになります。約1時間の全力運動はATを超えるくらいが限界と言われています。




実際には計測が難しい理論上の話ですが、60分間走り切れるほぼ一定ペースのランニングがATのペースと考えることもできます。

例えば、ロードレースで有り得る距離なら10マイル(16km)に出場して、16km1:00’00″のタイムなら3’45″がATペースと言うことです。そのペースをATペース走に設定すれば適度なペースでの練習が可能になります。

しかし、そんなに都合良い場合ばかりでは無いので、考え方を応用してATを予想することはできます。

16km55’00″なら3’26″ペースですが、あと5分あるので5分持たせるためにはペースは少し落ちます。3’27-28″をATと考えて良いでしょう。

逆に遅い場合。16km75’00″の場合は、平均4’41″ペースです。あと15分短い時間で良いのならどれくらい速く走れるか考えてみます。ここからは勘と感覚の世界で非常に主観的になりますので正確ではありません。私なら10秒速く、です。4’31″がAT予想です。

この方法は、ロードレース16kmが60分前後の人しか使えない方法です。

このホームページでは、私独自の方法で5000mや3000mのタイムからATを予想して設定していますので、これらの方法はあくまでも理論的な参考にしてください。レベルが合う人だけ試してみると良いと思います。

 






フォームの話、アゴ編




アゴを引け!
このアドバイスを受けたことがある人は多いのではないでしょうか?

今回はフォームの中でもあまり馴染みの無いアゴの話です。

結論は、アゴは少し上げておくくらいが良いです。

理由は、アゴを引くと首に力みが生まれます。具体的に言うと、首筋の胸鎖乳突筋が鎖骨に付着していますので、首に無駄な力が入ると鎖骨の動きが悪くなり、鎖骨と繋がっている肩甲骨も動きにくくなります。

肩甲骨の動きが悪くなると、当然骨盤も動かなくなります。すると歩幅が狭くなり、短くなった歩幅を戻そうとふくらはぎで地面を蹴る動作が強くなったり、他の動作で遅くなるのを防ごうとします。

その結果、余計な体力を消耗することになり、遅くなってしまう。

、、、という話です。

また、アゴを少し上げることで目線が下がるのを防ぐこともできます。目線が下がると真っ直ぐ走れないという距離をロスする問題の他に、背骨のアーチが弱まり骨盤の前傾も弱まり、ひどい場合は腰抜けの状態になります。重心位置が走る進行方向に対して後ろになってしまうので、接地が重心よりだいぶ前になります。

そうなると、大きな筋肉である脚の後ろ面、ハムストリングを使いにくい状態になり、ふくらはぎに頼る走り方になってしまいます。

その結果、ふくらはぎがつりやすくなり、長い距離がもたなくなり遅くなってしまいます。

、、、という話です。

みなさんもぜひ試してみてください。
アゴだけで少しだけ速くなるかもしれません。

ランニングフォーム、骨を意識する

ランニングフォーム、骨を意識?筋肉を意識?

ランニングフォーム、アフリカ人系、欧米人系、日本人系



フォームの話、骨編






前回の投稿では、腕振りで骨を回す、内旋と外旋をする操作を紹介しました。

手をダラりと下げた状態で、内側に回すのが内旋、外側に回すのが外旋です。

ここまでは簡単です。

次に手をパーにして前に伸ばした状態で、内旋外旋をしてみてください。何も意識しなかったら、手のパーも一緒にくるくる回ります。

次はレベルアップで。
手のパーは動かさずに、腕を内旋外旋させてください。これは難しいです。
上手くできない人は、壁に手をつけた状態でやってみてください。

肩、肩甲骨が大きく動くのを感じられると思います。

この操作を腕振りの要素に少しだけ加えることで、フォームが変わります。

肩甲骨は、回すというより前後に動かして開く、閉じるのイメージになります。第三者が外から見ても微妙でわからないくらいの動作です。

「あれ?何かわからないけどあの人のフォーム、力みがなくなってスムーズになった。」くらいです。

骨盤も回すという意識では無く、腰をクネクネとクネらせるような感じです。言葉で表現するのは誤解を生むかもしれません、とても難しいのです。

私の感覚で例えるのなら、水泳のクロールの逆回転を左右の腸骨で交互にグルグル繰り返すイメージです。まずは、立った姿勢でひざを半屈伸した中腰の状態から動いてみてください。骨盤が動いているのを感じることができればOKです。

そのイメージをランニングの中で、ほんの少し動作の要素を加えてみてください。地面を蹴らなくても地面に力が伝わる、と私は感じています。




以上のように、腕、肩甲骨、骨盤の前傾、背骨のアーチがタイミング良く連動して脚が反射で動いて力みのないランニング動作が連続して続くように、私は考えています。

教える対象者によって、表現や言葉を選んでどうやって伝えるかとても難しい分野です。

究極には、現場でのアドバイスでは個人に合わせてアプローチ、使う言葉、教える順番が全く違うので、ここで紹介したことが文字でどのように伝わるか難しいところです。

しかしながら、今までフォームについて具体的にどのように考えたら良いのか全くわからなかった人、考えたこともなかった人にとっては自分のランニングフォームを見直すきっかけにはなったのではないでしょうか。

自分なりの骨の操作、「コツ」をつかむことが大切です。コツという言葉の語源はまさに「骨」です。

トレーニングすべき最大心拍数の割合であったり、運動生理学的なランニングのアプローチ以外の方法として、身体操作の側面からもランニングエコノミー、効率的なランニングフォーム改善を考えて実践することが大切です。

コツコツがんばりましょう。

ランニングフォーム、顎を意識する

ランニングフォーム、骨を意識?筋肉を意識?

ランニングフォーム、アフリカ人系、欧米人系、日本人系







骨で走る?筋肉で走る?



image先日は、3大ランニングフォームである、フォアフット、ナンバ走り、筋力重視について書きました。私が3つに分けただけなので、当然他の考え方もあると思います。
接地の方法と三大フォームについて説明

みなさん、今の自分のフォームはどういうものでしょうか?極論は、その人が一番速く走れるものが最高です。快適にケガなく効率的なものを私は追求しています。

私は、世界レベルでもない、日本トップレベルでもありませんが、自分にとってベストなものを追求し続けることも楽しいです。

そんな私の考え方が他の人のヒントになり、現状を打破するきっかけになるかもしれません。私も、ランニング仲間の一言のアドバイスがきっかけで長距離のタイムが伸びた経験があります。技術的なものだったので、即効果がありました。

さて、今日のテーマですが骨と筋肉です。
骨は約206本、筋肉は約300個あるそうです。

骨を動かすのが筋肉です。

走る時にどこの何を意識すれば動作につなげやすいのでしょうか?

私が初心者にコーチングする際や、陸上選手でもフォーム修正する場合は、まずは腕振りからアプローチします。

理由は、体の中で一番器用なのは腕だからです。細かい動作の調整を操作することができます。腕振りの意識を変えることでフォーム全体が変わって、タイムが少し速くなる、長い距離でも走りやすくなる経験をしてもらいます。

常に意識して動作が自動化されてきたら、その後に次のテーマを考えて意識させるようにしていきます。

そこで、動作修正に効果的なのは骨の操作だと私は考えています。

腕振りは前後に真っ直ぐ振るだけでは効果的ではありません。骨を回す操作を少しだけ加えることで、動作の力みがなくなり、柔らかな淀みない流れる操作になり、動作が小さくなるけど、しっかり連動して地面に力が伝わるようになっていきます。

何故腕振りが地面に力を伝えるのか?

腕の付け根はどこですか?
みなさん、肩幅の一番広い所、スーツの肩パットが入る所が腕、肩の支点だと思っていませんか?

実は、腕は肩甲骨とくっついていて、肩甲骨が鎖骨に繋がっており、体の前面首の真ん中の鎖骨の付け根、そこが腕の支点になるのです。そこは胸鎖関節と言います。私も初めて知った時は驚きました。腕振りの考え方が間違っていたと知りました。

腕振りで骨を回す(内旋、外旋)ことで肩甲骨が動くようになります。すると、背骨を介して骨盤に動きが出ます。

骨盤は、左右の腸骨、真ん中の仙骨に別れています。僅かに動きます。仙骨はいわゆる背骨の先端になります。背骨は、腰の腰椎、胸の胸椎、首の頚椎で連続して24個の骨が繋がっています。当然、背骨も動きます。

骨盤を前傾させることが走る上で重要になります。アフリカ系民族は、最初から骨盤が強く前傾しています。

私たち日本人は、意識しないと骨盤が立ってしまいます。猫背の人は骨盤が後ろに倒れて腰抜けになります。

デスクワークが多い人は首が前に出て、猫背で骨盤が起きがちです。椅子に座る姿勢も直すことがランニングにもつながります。

話を戻します。

腕振りによって肩甲骨が動き、しっかりと前傾した骨盤により、背中のアーチが保たれて骨盤も連動しやすくなり、骨盤が連動することで膝を高く前に上げなくても自然に歩幅が伸びます。

簡単に流れを説明するとこういうことです。
だから、骨を意識しましょう!というお話でした。

次回は、骨の操作をもう少し具体的に紹介します。

ランニングフォーム、骨を意識する

フォームの話(三大フォームと接地)


みなさんはどんなフォームを意識していますか?

最近話題なのは、フォアフット接地ですが、10年前はナンバ、ナンバ走りという言葉が流行りました。それ以前、私が高校生だった頃は、筋力重視、筋トレ重視の欧米型フォーム、腕を振れ!膝を高く上げろ!地面を蹴れ!でした。

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最初に、このテーマの結論を書いてしまいますが、私はかつてナンバ走りと言われた走り、コンセプトでフォームを考えて走っています。また、競歩の動作をランニング動作に取り入れることで効率が良くなると考えていまます。

理由は、BMIが22.5ほとありランナーに適さない身体つきであること。自重(体重)が重い割に強靭な筋力がある訳ではないこと。効率的な身体操作方法を模索していた時に、ナンバ理論の本に出会い、感銘を受けたこと。同時期に競歩の選手に教えてもらう機会があり、ナンバの動作に近いものがあると感じました。考え方、方向性が一致したのです。

中長距離ランナーの体重について、BMIの説明を詳しく見る。

体型と個性、持ち味

人それぞれ持ち味が違います。自分がどの走り方が合うかを考えて、試してみて、自分のフォームの方向性を決めて練習することが大切だと思います。

理由を含めてこれから書きます。

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人種によって体型が違う

まず、先に紹介した三タイプのフォームですが、表現を変えると、フォアフットはアフリカ系フォーム、ナンバは日本系フォーム、筋力重視は欧米系フォームと言えるのではないでしょうか。

陸上競技、特に100m走とフルマラソンはメディアに頻繁に取り上げられますし、人気の高い種目です。走る距離は違いますが、根本的な動作は同じです。カールルイス、ベンジョンソン、最近はウサインボルトの走りを皆真似ようとします。

それぞれの民族が古の時代から積み上げてきた生活スタイルの延長戦上に、それぞれのランニングフォームがあると思います。

裸足での生活で狩猟民族であるアフリカ系の人たち。体型も特徴的で、脚が長く特に長い膝下で細いふくらはぎ、引き締まった大腿部、自然な状態で骨盤が前傾しています。その体型がフォアフットを可能にしているのではないでしょうか。

次に欧米人。鎧を着て馬に乗り戦場で勝ち抜くには、重量に負けない筋力が必要でした。筋骨隆々な強靭な肉体から、前後の力強い腕振りを推進力に変えて、膝を高く上げて振り下ろし地面を強く蹴り反発力を得ます。

最後に日本人。日常ではワラジを履き、着物を来て歩幅は狭く地面を擦るように歩いている姿は時代劇で見ることが出来ます。農耕民族で、中腰の姿勢で田んぼや畑に入り農作業をしていました。いわゆる日本人体型、と言われるものは手足が短く、脚は長さに比して太めです。

以上のように、それぞれの民族が生き残って来た背景が違いますので、私たちの遺伝子には意識に無い情報が含まれているのではないかと思います。

しかしながら、時代の流れとともに生活様式や食生活の変化で、私たち日本人の体型も変化しています。

最近の若い子たちは、脚が長くBMIも低い(18や19)上にふくらはぎが細く、まるでアフリカ系のような体型の人もいます。その人たちこそフォアフットのフォームが合うと私は考えています。

欧米人のような体型の日本人もいます。短距離走を走るなら、筋力を活かしたパワーと瞬発力の力強い走りでも良いでしょう。しかし、その走りでは長距離はもちません。

その体型の人たちと、純日本人体型の大半の人たちは、ナンバ走りの考え方のフォームが合うのではないでしょうか。

まとめ

最近は、たくさんの情報が検索すれば簡単に手に入ります。本もたくさんあります。メデイアでは常に最新の情報が流され、SNSで一瞬のうちに世界中に情報は広がります。

しかし、ランニングフォームはそんなにコロコロと変わるものなのでしょうか?

その民族に合った身体操作の方法、その人に合ったランニングフォームが必ずあります。自分自身をよく分析して、試行錯誤を繰り返しながら、今の自分にとってベストなフォームを追及し続けることもランニングの楽しみの一つだと思います。

どんな走り方でも共通して言えることは、脚が流れてしまうのは良くないということです。足が流れてしまうのは、いくつかの原因が考えられます。
脚が流れる原因と改善方法

骨盤の意識がわからない人、前ももとふくらはぎが疲れやすい人

次回からは、私が自分で意識していること、コーチングの現場でアドバイスして来た様々な切り口からフォームの話も紹介していきます。

ランニングフォーム、骨を意識?筋肉を意識?





自分に合ったジョギングペースを明確に言えますか?




みなさんいかがですか?

ジョグのペース、軽いジョグ、速いジョグ、ペース走、、、どうでしょうか?

陸上部の選手でも、感覚的にはわかっていても明確に言える人は少ないと思います。

ここではそれを説明します。

 

結論は

速めのジョグ(心拍75%)

基本のジョグ(心拍70%)

回復ジョグ(心拍60~65%)

が目安になります。

5000m15’00″レベルの選手なら、
速めのjog3’57”
基本のjog4’12”
回復jog4’41”

5000m17’30″レベルの選手なら、
速め4’37”
基本4’54”
回復5’27”

走力、レベルによって最適なジョギングのペース設定がこんなに違います。部活動やクラブチームで、レベルが違う人たちが集まって一緒にjogをすると、誰かはちょうど良くても、他の人は速過ぎたり、遅過ぎたりします。

 

大半の人は遅めのジョグを日常的にしていると思います。

このホームページの、タイムの一覧表から、現在の自分に合ったジョギングのペースがわかるようにしていますので、ぜひ参考にしてみてください!
タイム設定一覧表を見る

トップページの練習メニュー検索で、自分の条件を選択していけば、自分に合った練習メニューと設定ペースにたどり着きます。
練習メニュー検索をしてみる

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まとめ

最適な練習ペースとは、必要最小限このペースで走れば効果的なものだ、と私は考えています。

若い頃、初めて陸上部に入って先生の言いなりで、「今日のメニューは60分ジョグだ。みんなで走って来い!先輩は新入部員をちゃんと面倒見ろよ!」という具合でした。

何年か経って、自分で考える力や調べる必要性が出てきて、正しい知識を得た時はとても驚きました。目の前に道が開けたように感じたのを覚えています!

部活やチームの伝統と言いますか、悪しき習慣と言いますか、根拠の無い指導やアドバイスを受けて、とんでもない方向に向かって走っている人達がいると思います。

このホームページ、ブログ記事がそんな迷える未来のアスリート達にとって道標になれば良いと考えています。

自分は間違ったことをしている!

そう気がついた時が、正しい方へ方向変換する時です。

鉄分足りてますか?




ランナーのみなさん、鉄分足りてますか?
日常生活で、時々立ちくらみがすることがあると思います。日常生活にはさぼど支障はないと思いますが、ランナーにとっては困ったことが起きます。

時々立ちくらみする人は鉄分が不足気味と判断して良いでしょう。頻繁に立ちくらみする人は貧血の症状が出ている可能性が極めて高いです。

今日の結論は、貧血だと長距離が遅くなる!です。意識して食事から鉄分を摂取して、鉄分を排泄しないように心がけ、尚且つ鉄剤などで補給するべきです。

それでは、説明していきます。

長距離を走る時のエネルギーの大半は呼吸によって吸収する酸素が無いと産生することができません。90%以上のエネルギーを呼吸することから得ています。他数%は無酸素運動の領域です。走り始めの酸素供給が間に合わない部分とラストスパートの部分です。

酸素は肺の肺胞から血液中に取り込まれて全身を巡り筋肉を動かすエネルギーを作り出して身体を動かします。この酸素を運んでくれるのが血液中のヘモグロビンです。

ヘモグロビンが多い人ほど酸素運搬能力が
高く持久力に優れています。少ない人はその逆です。それが貧血の人です。

ちなみにトレーニングしてヘモグロビンが増えるから速くなるのではありません。

逆に走れば走るほどヘモグロビンが壊れていきます。身体の末端い行けば行くほど毛細血管が細くなり、細い毛細血管内で柔らかいヘモグロビンが壊れてしまうことがあります。

また度重なる接地の衝撃で足裏の血管内でヘモグロビンが壊れます。これを溶血と言います。

ですので、長い距離を走る人ほど貧血に気を遣わないといけないですし、毎回の食事で鉄分豊富な食材を食べるべきなのです。

それでも足りないので鉄剤などで補う必要があります。かと言ってサプリの飲み過ぎも良くありません。余剰な鉄分は尿から排泄されます。容量を守って摂取してください。

以上のことはランナーにとって常識ですが、もし知らなかった人がいれば、これを意識すれば走るトレーニング以外で確実に速くなります。

私の教え子で、実際に5000m17分30秒だった選手が16分30秒の自己ベスト大幅更新を実現しました。練習量を落として、私がつくったメニューで走り、鉄剤のサプリを摂取しました。彼は高校駅伝部出身でしたが、残念ながらこの知識はありませんでした。

出会った頃に、高校時代の練習量を聞いたら月400kmくらい走っていたそうです。それでベストが17分30秒。ランニングフォームも綺麗で、見た感じは16分前半で走ってもおかしくないと思いました。私は貧血を疑いました。本人は日常的な立ちくらみが昔からあったそうです。私は確信しました。血液検査の結果貧血でした。

貧血が直り、過度な走行距離も抑えたことで簡単にベストが出ました。本人は練習の距離を短くすることに懐疑的でした。長い距離を走らないと速くならないと思い込んでいました。

高校時代の適切ではない指導の影響で、自分の持ち味を発揮することなく高校三年間を過ごしてきたようです。

私のメニューでベストを出した時は本当に喜んでしました。

いくら練習しても正しい知識がないともったいないことになります。

知識は身を守りますし、自分がやるべきことを示してくれます。

でも、速くなるためには練習を続けることが絶対に必要です。

コツコツとトレーニングを継続して、目標に向かって努力をし続けるという鉄の心が一番大切です。

鉄分の話なだけに、お後がよろしいようで、、、。